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TDnetで「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」を発表する会社とそうでない会社

ふとTDnetを見てみると、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」の開示が意外と少ないのを見て、思ったこと。

 

TDnetで「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」を発表する会社とそうでない会社

 

 

日本の東京証券取引所に株式上場をしている企業の場合、決算や重要事案の発生等を、TDnetという適時開示システムを通じて発表します。

昨今多いのが、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」あるいは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応状況」という内容です。

 

 

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」の構成内容

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」に盛り込む内容は、

  • 企業グループ内での感染症の対応状況:社員に感染者いるか、感染予防の執務体制にしている、など。
  • 感染症の事業への影響があるのかどうか:工場や販売現場などを持つ企業では、人が接する場所での対応状況 など。国外にある場合は、ロックダウンの影響があるかどうか。
  • 上記が業績への影響があるのかどうか。

という感じで、奇をてらった内容ではなく、常識的な内容のシンプルな構成です。

 

 

TDnetでの発表状況:ほぼ毎日開示

TDnetでの、この1ヶ月ほどの発表状況を調べると、以下のような感じです。
(*TDnetで「新型コロナウイルス感染症」を件名に含む発表件数を検索。ただし、「決算発表の延期」「ワクチン開発」等の発表は除く)

  • 4月7日:2件
  • 4月8日:3件
  • 4月9日:3件
  • 4月10日:3件
  • 4月11日:1件
  • 4月13日:6件
  • 4月14日:3件
  • 4月15日:4件
  • 4月17日:2件
  • 4月20日:2件
  • 4月21日:1件
  • 4月22日:2件
  • 4月23日:2件
  • 4月24日:1件
  • 4月27日:6件
  • 4月28日:3件
  • 4月30日:2件
  • 5月1日:3件

という感じで、約1ヶ月で約50件の発表がされています。

TDnetでは、一日あたり100〜300件ほどの発表がある中で、1ヶ月間で50件の発表というのは、それほど多いわけではありません。

 

 

東京証券取引所からの新型コロナ対応方針

よくみると、すべての会社が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」を発表しているわけではありません。(会社と、その発表有無の突き合わせをしているわけではないので、ざっと見た感じですが。)

以前このブログでご紹介したように、東京証券取引所から上場会社に、「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対応方針」が発令されました。

TDnetでの「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」の開示は、東証から求められている事項ではありません。開示するかどうかは任意的なものになります。

www.keiei123.info

 

 

混乱期に発表した方が投資家に安心感を

私が、取締役を務めている上場会社の一つは、株主はじめ投資家の皆様に、早々に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」をとりまとめ、TDnetで開示しました。

あまり早々だったので、参考となるような開示文面がなく、自らオリジナルを作ったような感じでした。

世界の各都市でロックダウンが始まり、日本でもそうなるではないか。その場合、どのような影響があるのか。不確定要素の高くなる状況でしたので、この未曾有の社会事象の影響をきちんと伝え、不安を解消したいという思いからの開示でした。

その開示効果なのかどうかはわかりませんが、マーケット全体で、日経平均が24,000円台から17,000円付近に、約30%急落した状況の中で、株価はほとんど下がらず、という状況でした。(店舗休業などのような新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響がほとんどない業態だった要因も大きいです。)

先行きの見えない状況下、誰もが不安になりやすいですので、こうした不安解消の材料を提供することは、少しは役立つかもしれない。と、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」の開示が、意外と少ないのを見て、思った次第です。

 

 

重要なメッセージが書かれていることが多い

投資家サイドからすると、この開示書類を見ると、その企業の心を知る可能性が高いと思います。

この未曾有の社会事象は、「収束までの期間が引き続き不透明である」という、全企業にとって同じ事業環境の条件です。「いつまで続く」「どうやって終わる」というのが見えていません。

こういう時勢だからこそ、従業員や取引先などを守るという行動を行う企業もあれば、寄付支援しましたというアピールを行う企業もあります。

企業によっては、この機に新しい商材を売り出す、という行動もあります。企業ですので、利益追求というのが組織目標の一つとしてあります。マスク転売のようなモラルを問われるような、近視眼なコロナ特需に喰いつこうということでない限り、社会通念上許される範囲での収益機会の獲得は、当然の行為と思います。

そのような企業のマインド的なものが、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するお知らせ」ににじみ出ているように感じることがあります。

 



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