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株主総会資料の電子提供制度 企業側対応の雑感

招集通知の電子化が2023年3月以降の株主総会から開始しました。

株主総会資料の電子提供制度で変わる招集通知

 

 

 

2023年6月から株主総会資料の電子提供制度

2022年9月1日施行の改正会社法により、2023年3月以降に開催される株主総会の株主総会資料をwebに掲載することで、郵送での株主提供を行なわなくともよいこととなりました。いわゆる「株主総会資料の電子提供制度」です。

具体的には、株主総会の招集通知です。今までも、付属資料などは電子閲覧で済ますことができましたが、ほんの一部の内容でした。それが大幅に変更となり、ページ数が多かった招集通知が、かなりスリム化されます。

この6月には、2023年3月決算の会社で、多くの株主総会がありました。いくつかの上場会社の総会招集通知をいただき、それらを見ていると、この「株主総会資料の電子提供制度」の対応は、企業により様々だなぁと感じました。

 

株主総会資料の電子提供制度 企業側対応の雑感

感じたことをまとめると、こんな感じです。

 

電子提供制度完全実施の企業⇒招集通知での送付物がかなりスリム

従来の招集通知と比べ、かなりスリム化しています。

今までの招集通知の送付は、封筒にぎりぎりはいるぐらいの厚みがあったものが多かったです。

それが、総会日時・報告事項・決議事項の項目を掲載し、見開き4ページで1枚の印刷で済むような、招集通知がでてきています。

このぐらいの内容ならば、もっとシンプルになりそうな予感です。たとえば、今は、議決権行使書を同封しているので、封筒で送られていますが、そのうち議決権行使書と一体化した印刷様式もでてくるのではないでしょうか。

 

上場歴の浅いベンチャーやネット系企業⇒最小限の内容の招集通知

この新制度の利用は、上場歴の浅いベンチャーやネット系企業に多いように感じます。

「今まで書面でお送りしていた株主に失礼ではないか」とか、そういう配慮は、あまり躊躇しない感じでしょうか。

 

上場歴の長い企業⇒従来どおりの招集通知

一方、従来どおりのボリュームの招集通知を送付される企業も、まだまだ多いです。

体感的にには、「上場歴の長い企業」「株主数が多い企業」で、その傾向があるように感じます。

「上場歴の長い企業」でも、シンプル招集通知な場合もあったりしますので、一概には言えません。「株主数が多い企業」ですと、かなりのコスト減になりますので、そういう視点で切り替えた企業もあるのではないでしょうか。

電子提供制度が始まったものの、初年度は、他社の動向を様子見ということもあるかもしれません。

 

約4割の株主しか読まない招集通知

企業から送付される招集通知は、必ずしも株主全員が読んでいるわけではありません。

こんな統計があります。

 

  2017年7月~2018年6月 2018年7月~2019年6月 2019年7月~2020年6月 2020年7月~2021年6月 2021年7月~2022年6月
行使株主率 31.1% 31.8% 33.6% 37.1% 38.3%
うち電子行使株主率 5.7% 9.0% 16.6% 35.7% 48.2%
個人株主等の議決権行使状況
出所) 一般社団法人信託協会・上場企業の株主総会における個人株主等の議決権行使状況について

 

上表は議決権行使率の状況です。

行使をされた株主は、おそらく招集通知を読んでいるはずで、これを最低限の既読率とすれば、半分ぐらいの株主が読んでいないこととなります。読まずに捨てられてしまうだけの郵送代・印刷代を考えると、かなりもったいない。

 

 

高齢者株主は大丈夫?

また、議決権行使した株主の半分しか、電子的な行使を行っていません。

今は、スマホをかざせば、簡単に議決権行使ができるようになっているものの、議決権行使書のハガキに◯をつけて返送するという、従来の書面での議決権行使が依然として有効ということになります。

個人の株主の場合、高齢者の割合が多く、そういう年齢層が一因かもしれません。ネットでの株式取引が一般化し、高齢者でのネットの利用も、10-20年前と比べれば、それなりに進んでいるとは思いますので、もう少し増えてもいい感じです。

 

株主総会に出席すると、招集通知に事前に書き込まれたり、発言内容をメモしたりしている株主の姿を見かけることがあります。

各自がプリントアウトすれば、同じようなことができるでしょうが、ああいう光景も、少なくなってくるのでしょうね。

 


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