便利なQR決済が日本経済をダメにするかも?
4年で5000万人ユーザー!
QR決済の一つ「PayPay」。
2018年からサービス開始し、非接触決済のニーズが急増したこともあり、2022年9月時点で5,100万人を突破。かなり早い展開で成長しています。
「PayPayであなたの街を応援しよう!」キャンペーン
PayPayは、自治体と組んで「PayPayであなたの街を応援しよう!いろんな街でキャンペーン開催!」を行っています。キャンペーンは、PayPayを使って購入した金額のキャッシュバックを行うもので、還元率は10〜30%など、なかなかの高還元ものです。
この「PayPayであなたの街を応援しよう!いろんな街でキャンペーン開催!」は、よく考えてみると、企業が購入した費用の1/3や1/2を、自治体が補助するという、いわゆる助成金事業と一緒です。
PayPayによる経済効果?
自治体が費用補助をするということで、
たとえば、
自治体でのキャンペーン全体の補助予算1000万円として、10%分の還元率とすると、
理論上、1000万円÷10%=1億円の経済効果が生まれることになります。
ちょっと前にあった日本国民全員が対象となった10万円給付は、その金額を使った人もいれば、銀行口座やタンス預金になってしまっている人も多いハズで、必ずしも経済効果があるとは限りません。それと比べると、このPayPayキャンペーンは、支払った金額に対する還元なので、経済効果も高いと感じます。
PayPayキャンペーンによる弊害
私が住んでいる自治体でも、
そのPayPayキャンペーンを行っていて、その恩恵をいただきました。
ところが、還元対象期限の最終日。ものすごい光景を見てしまいました。
近所のドラッグストアが、その対象店になっていて、
その最終日の店内は棚に品はなく、在庫の箱が床積みされ、陳列が追いつかない状態。
オイルショックのとき、あるいは、ちょっとまえのマスクやトイレ紙が不足したときなんかよりも、すごい状態です。ある特定の品が欠品というわけではなく、全体的に欠品で、閉店前の状態のような感じなんです。
そして、お店の人は、レジ作業にテンヤワンヤ。レジは長蛇の列。日本でないような光景でした。一応、東京都内での光景です。
需要の先食いでは?
ふと、これは消費活動の先食い(需要の先食い)なので、経済的にはあまりいい影響でないかもしれないと思ったりしました。
本来だったら2−3ヶ月後に買うものを、今買えば、その費用を安くできるから、まとめて買ってしまえ、といった感じのもので、本来の需給バランスを狂うことになります。
私のいる自治体だけでなく、他の自治体でも、同様の光景があったとすると、全体の在庫を逼迫。メーカーは、先のことを考えずに増産してしまい、2−3ヶ月後に在庫がだぶつく。在庫整理のための、セールなどを行い、最終的にあまり利益が残らない。
そういう悪循環に陥ると、キャンペーン直後は瞬間的に経済効果があっても、全体で長期で見ると残念なことになります。
もっとも、これはQR決済が悪いということではなく、キャンペーンの仕組み自体に、ちょっと問題があることだと思います。
実際、どのぐらいの影響があるのか。
この結果は、一年後ぐらいに答え合わせができるだろうか。