新任取締役の経営手帳

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利益が赤字でIPOって、どうなの?

赤字状態でIPOされる企業について。

 

利益が赤字でIPOって、どうなの?

 

*ここでの話は、特定の企業のことを指しているわけではなく、全般的な話です。

 

ここ最近、IPOされる会社の数が、以前の寂しい社数の時よりも増え、マーケットの機能が戻ってきたような感じがします。

いろいろな会社さんが上場審査を通過し、IPOデビューされる際、どういう企業なのか、業績などを見たりします。

その中で何社かの会社は利益が赤字という状態というのが気になります。

マザーズ市場のような、新興企業向けの市場への上場ならば、審査の制度上、赤字でも要件を満たせば上場できます。

成長の源泉となっているビジネスがあって、IPOによる資金調達で、そのビジネスの成長を加速させます、という定番のストーリーで、IPOする目的を設定します。

たとえば、設立して5年未満で、先行費用がかかってしまい、売上の伸びがまた追いついていないものの、あと数年で黒字になるような会社ならば、IPOする状況を理解できます。

しかし、創業して10年ぐらい経つ会社で、ずーと赤字が続き、黒字の兆しが見えないような状況で、果たしてIPOしても大丈夫なのでしょうか。しかも、資金調達したお金で、人材獲得や広告宣伝に回します、というような投資ではなく費用にあてるというのも、すこし危険なお金の使い道。IPOで調達したお金が溶けてなくなる可能性があります。

IPOできるってこと自体は、それはそれで素晴らしいことですし、創業された経営者として、誇りになるものです。

IPOの目的が、会社の目的というよりも、創業者やベンチャー株主のためという背景があったりして、無理なIPOもあるんだろうなというのを、ふと感じました。

数十年前を思い出してみると、上場目的の一つが、経営者の相続対策だったという時代もあります。(その当時を知っていたわけではなく、伝聞での話です)

どの時代でも、会社の目的でのIPOではないというのが世の常かなと思います。

 

 


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