東京証券取引所が上場維持基準を厳格化し、時価総額100億円未満企業の締め出しを開始するそうです。

2025年4月、東京証券取引所でこんな決定がされるそうです。
東証、名ばかり「グロース」に新基準 時価総額100億円未満は廃止https://t.co/JgIA6cH4L1
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) April 21, 2025
時価総額100億円未満は上場廃止に
内容をみると、
株式上場(IPO)から5年経過後で株式時価総額が100億円に達しない企業を上場廃止にする
ということにするそうです。
なお、現在は「IPO10年経過後に時価総額40億円以上」というルールがありますので、この基準からかなり厳格化する形になります。
しばらくは経過処置がされるはずですので、IPO5年以上で時価総額100億円未達のグロース企業がすぐに上場廃止ということにはならないと思いますが、対象の企業は、対策が求められます
東証グロース市場から上場廃止にならないためには・・・
今回の新基準による上場廃止を回避するための対策を考えてみると。。。
時価総額100億円以上となる業績にする
基本的には、一株あたり利益や一株あたり株主資本が増えれば、株価は増えていきますので、そのためには、毎年の利益を増加させていくことで実現できます。
2025年3月現在、東証グロース市場の全体平均PERは40.2倍(単純)ですので、
時価総額100億円には、2.49億円(100億円÷40.2)の当期純利益が必要となります。
合併する
たとえば、時価総額が35億円の企業3つが合併すれば、時価総額100億円の企業となります。
合併を行うには、どれを存続会社にするかなど、その実務等も大変でしょうが、たとえば、共同持株会社にするスキームであれば、比較的に進めやすいかと思います。
もっとも、こういう事例が頻発すると、東証から「上場廃止回避のための合併はNG」といったお達しがでるような気もします。
市場を鞍替え
日本のベンチャー市場は、東証グロース市場以外にもいろいろあります。
たとえば、
- 名証ネクスト市場
- 福証Q-Board
- 札証アンビシャス
- TOKYO PRO Market
いまのところ、これらの市場には、時価総額での上場廃止基準はないので、どうしても上場を維持はしたいのだけど、基準に抵触してしまう企業は、これらの市場に鞍替えをするというのも選択肢かと思います。