今回は「目標5 ジェンダーの平等を実現しよう」について見てみます。
SDGsには17の目標が定められています。
その一つである「目標5 ジェンダーの平等を実現しよう」について見てみます。
SDGs 目標 5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
国連の文章によれば、
- 全世界で、7億5,000万人の女性と女児が18歳未満で結婚し、30カ国で少なくとも2億人の女性と女児がFGMを受けています。
- 18カ国では、妻が働くことを夫が合法的に禁止できます。39カ国では、娘と息子の相続権が平等ではありません。女性を家庭内暴力から守る法律がない国も49カ国あります。
- 15歳から49歳の女性と女児の19%を含め、女性と女児の5人に1人は、最近の12カ月以内に 親密なパートナーから身体的および/または性的暴力を受けています。それでも49カ国には、女性をこのような暴力から具体的に保護する法律がありません。
- 全世界で女性の政界進出がかなり進んでいるものの、女性国会議員の割合は23.7%と、男女同数にはまだ程遠い状況にあります。
- 性的関係、避妊手段の使用や保健に関して、自分自身で決定を下せる既婚または事実婚状態の女性は、全体の52%にすぎません。
- 世界的に見て、女性の農地所有者は全体のわずか13%に止まっています。
- 100カ国以上が、ジェンダー平等への予算配分を追跡する行動を起こしています。
- 北アフリカの女性が、非農業部門の有給雇用に占める割合は5人に1人にも達していません。農業 部門以外の有給雇用で働く女性の割合は、1990年の35%から2015年の41%へと上昇していま す。
- 46カ国では現在、女性がいずれかの議院で議員数全体の30%超を占めています。
- 南アジアでは2000年以来、女児の児童婚率が40%以上低下しています。
- FGMの慣行が残る30カ国で、FGMを受けた15歳から19歳の女児の比率は、2000年の2人に 1人から2017年の3人に1人へと低下しています。
上記のような課題を解決するために、「女性や女の子に対する暴力や差別、有害な慣行の撤廃」「女性が政治・経済の意思決定に参加」「妊娠と出産に関する女性の権利を守る」などの実現に向けた取り組みが求められています。
各企業における「目標5 ジェンダーの平等を実現しよう」の取り組み事例
大日本住友製薬株式会社
- 母子保健ボランティアの育成支援(カンボジア)
- 女性活躍の取り組み
- 男性の積極的な育児参加への取り組み(日本)
- イクボス企業連盟への参加(日本)
- LGBT対応トイレの設置(大阪府大阪市:大阪本社)
住友林業株式会社
- 働き方改革の推進
株式会社日立製作所
- 女性従業員を対象とした「グローバル女性サミット」を毎年開催
株式会社アーキ・ジャパン
- 公正採用制度
- 積極的な女性採用
- 女性管理職の輩出
- 建設女子部の運用
- ピンクリボン活動
太陽誘電株式会社
- 多くの意欲ある女性が活躍できる雇用環境を整備するため、推進行動計画を策定し、実行しています
MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社
- ダイバーシティの推進
- ワーク・ライフ・バランスの実現
株式会社ニコン
- 多様な従業員の活躍推進と働き方効率化
ユニ・チャーム株式会社
- ミャンマーでの初潮教育プログラムの展開
- インドにおける初潮教育の進展
- サウジアラビアの女性専用工場での就労支援
調べてみて:企業では取り扱いが難しい?
この「目標5 ジェンダーの平等を実現しよう」は、なかなか重たいテーマの目標だと思います。一企業で取り組むには、簡単には解決できない問題でしょう。
「ジェンダー」だから「自社内での女性活用」などを、この目標の取り組み実績としてあげている企業をけっこう見かけます。たしかに、社会における性差をなくすことにはつながりますが、どうなのでしょうか。
もっと深い目標として取り組むべき課題だと思います。
一番肝心なのは女性自身のエンパワーメントです。
by 尾原 蓉子