今回は「目標8 働きがいも 経済成長も」について見てみます。
- SDGs 目標 8 すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
- 各企業における「目標8 働きがいも 経済成長も」の取り組み事例
- 調べてみて:「事業の環境負荷」での取り組みを挙げる企業が多い
SDGsには17の目標が定められています。
その一つである「目標8 働きがいも 経済成長も」について見てみます。
SDGs 目標 8 すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
国連の文章によれば、
- 全世界の失業率は2017年に5.6%と、2000年の6.4%から低下しています。
- 2016年の時点で、全世界の労働者の61%がインフォーマル・セクターで雇用されています。農業部門を除けば、労働者の51%がこの雇用類型に当てはまります。
- データが入手できる45カ国中40カ国で、男性の賃金は女性を12.5%上回っています。
- 全世界的な男女の賃金格差は23%であり、決定的な対策を取らなければ、賃金平等の達成にはさらに68年を要する計算になります。男性の就労率94%に対し、女性の就労率は63%に止まっています。
- 女性の社会進出は進んでいるものの、女性による無償の育児・家事労働は依然として男性の2.6倍に当たります。
- 2016年から2030年にかけ、全世界で新たに労働市場に参入する4億7,000万人に雇用を提供する必要があります。
上記のような課題として、「持続可能な経済成長を遂げるためには、経済を刺激し、かつ、環境に害を及ぼさない質の高い仕事に人々が就ける条件を整備することが必要」とされています。
各企業における「目標8 働きがいも 経済成長も」の取り組み事例
大日本住友製薬株式会社
- 働き方改革の推進(日本)
- ワークライフバランスの推進
- CSR調達の推進
- 障がい者雇用の推進
- 健康経営(従業員の健康、メンタルヘルスの推進)(日本)
東芝デジタルソリューションズ 株式会社
- AI活用による、ヒトがより活躍できる職場環境の実現
- 音声認識でコミュニケーションの見える化
- 文字認識サービスとRPAの組合せによる紙文書作業の効率化
- 人財管理ソリューション
- 倉庫管理ソリューション
一般社団法人 全国労働金庫協会(ろうきん)
- 〈ろうきん〉は、すべての勤労者の生活向上のために、〈ろうきん〉ならではの良質な金融商品・サービスを提供していきます。
- また、持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21 世紀金融行動原則)・PRI原則に基づくESG投資などを通じて、目標達成を目指します。
株式会社カナエ
- 社員が家族に誇れる職場づくり
- 安全衛生、ワークライフバランス
- 安全安心とパッケージによる課題解決
KDDI株式会社
- 多様な人財の育成と働きがいのある労働環境の実現
- ICTを通じた心豊かな暮らしの実現
- 人権尊重と公正な事業活動の推進
調べてみて:「事業の環境負荷」での取り組みを挙げる企業が多い
この「目標8 働きがいも 経済成長も」は、「雇用」に関する目標です。
単純に雇用を作るだけでなく、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」や「環境負荷を増やさない」といった条件も加されます。
今回、見てみた企業の中では、働きやすい労働環境への取り組みをあげている企業が多いように感じました。
企業から見ると労働力の手段が多様化している中、企業の費用は抑えたい。そのため、非正社員や外国人労働者など、使い捨て的な使われ方も問題視されています。
経済成長する上で、企業活動の持続的な成長が必要です。そのためには、企業を動かす労働力が必要です。完全にコンピュータやAIによる非人間の労働力ということも、将来的には可能かもしれませんが、当面の間は人間の労働者が必要です。先進国だけではなく、後進国での労働環境なども合わせて考えると、なかなか難しいテーマかと思います。
働きがいを高めることは、ビジネスを成長させるうえで何より重要と考えています。
by 石原 一裕