今回は「目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう」について見てみます。
- SDGs 目標 9 レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
- 各企業における「目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう」の取り組み事例
- 調べてみて:自社の技術革新さを挙げる企業が多い
SDGsには17の目標が定められています。
その一つである「目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう」について見てみます。
SDGs 目標 9 レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、
イノベーションの拡大を図る
国連の文章によれば、
- 多くの開発途上国では依然として、道路や情報通信技術、衛生施設、電力、水道といった基礎インフラが整備されていません。
- 世界人口の16%は、携帯ブロードバンド・ネットワークにアクセスできません。
- 低所得国をはじめ、多くのアフリカ諸国では、インフラの未整備により、企業の生産性が約40%損なわれています。
- 全世界の製造業の付加価値がGDPに占める割合は、アジアの製造業の急速な成長に伴い、2005年の15.2%から2017年の16.3%へと増えています。
- 産業化による雇用乗数効果は、社会に好影響を与えます。製造業で雇用が1件増えれば、他の部門で2.2件の雇用が生まれるからです。
- 生産加工と製造に携わる中小・中堅企業は、産業化の初期段階で最も欠かせない存在であり、最も多くの雇用を生み出すのが普通です。こうした企業は、数にして全世界の企業の90%以上を占め、雇用の50~60%を創出しているからです。
- 後発開発途上国には、食料・飲料(農産業)と繊維・衣料産業の分野で巨大な潜在能力があり、持続的な雇用創出と生産性向上を達成できる見込みも十分にあります。
- 中所得国は、基礎・組立金属産業への参入で利益を得られます。幅広い製品で、国際的な需要が急成長しているからです。
- 開発途上国の国内で加工される農産物は、わずか30%にすぎません。高所得国では98%が加工されます。このことは、開発途上国に大きなアグリビジネスの機会があることを示しています。
上記のような課題として、「「資源効率と省エネの向上」「技術とイノベーションによる産業化」が必要とされています。
各企業における「目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう」の取り組み事例
大日本住友製薬株式会社
- 持続可能な生産・物流・原料調達の取り組み
- 外部資源の積極的な活用
- オープンイノベーション活動 「PRISM」 を通じた知的資源の活用
- GHIT-Fundへの参画を通じた、マラリアをはじめとする感染症治療薬開発の取り組み
株式会社 福井銀行
地域産業の育成・発展(産業と技術革新の基盤をつくろう)
企業のライフステージに応じた高度なコンサルティング機能の発揮により、地域における創業や事業拡大を支援し、地域産業の育成・発展に努めてまいります。
- AI活用による、ヒトがより活躍できる職場環境の実現
グンゼ株式会社
緑豊かな環境づくりと環境問題対応
- 強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る。
日本ガイシ株式会社
- 電子・電気機器用セラミックスは、安価で普遍的な情報通信技術を支えます
- 半導体製造装置用セラミックスは、生活の基盤となる半導体生産を支えます
- 金属製品は、携帯電話や、自動車、産業機器など生活を支える機器に幅広く活用されています
千株式会社
- AWSを活用した顔検索機能、ドローン撮影、VR、360度動画、オンラインアルバムなど、最先端技術によるイノベーションを生み出す。
調べてみて:自社の技術革新さを挙げる企業が多い
この「目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう」は、付加価値の高い技術の創出に関する目標です。
まだまだ、世界には、とくに後発開発途上国では、生産労働性の低い産業しかなく、先進国との格差が生じています。とくに、インフラに関わるものでは、ITネットワーク等の遅れがあります。
この目標の企業における取り組みとしては、自社の技術や製品などが、そのような状況の改善に資するものであるというものが多いように感じました。
技術革新はマラソンのようなもの。常にある程度の強度で継続しなければ、効果は決して表れない。
by 胡厚崑