お盆休みで帰省したときに、ふと考えたことです。
- 3時間で200キロ走るか、1500キロ飛ぶか
- 「東京=福岡」を飛行機で行くか・新幹線で行くか
- バス、新幹線、飛行機の経済価値のマトリクス表
- 時間を取るか、お金を取るか:移動時間をお金で買う
- 飛行機より遅い新幹線でも、仕事をすれば生産性があがる?
- バスならではメリット「寝れる」
- ドラッカーが警鐘していた「一人1日24時間しかない」
3時間で200キロ走るか、1500キロ飛ぶか
実家に帰るため、バスで3時間走り、目的地に到着。
東京から約200キロの目的地です。
しかし、同じ3時間で、東京=沖縄を飛べてしまいます。
東京から沖縄は約1,500キロの距離。
同じ時間を投入しているのに、結果としての「距離」が違います。
当然のことながら、それはバスと飛行機の乗り物の速度の差でもあるわけです。
たとえば、こんなことを考えてみました。
「東京=福岡」を飛行機で行くか・新幹線で行くか
「東京=福岡」という区間は、飛行機と新幹線の両方が使えます。
新幹線で行く場合
- 距離:1,174.9km(東京=博多間のJR営業キロ)
- 運賃:21,810円(普通車自由席・正規料金)
- 時間:約5時間
飛行機(日本航空・JAL)で行く場合
- 距離:567マイル=912.498キロメートル
- 運賃:41,100円(普通運賃)
- 時間:約2時間(飛行場までの移動時間は含まず)
飛行機は直線距離で進むのに対して、新幹線は地形の影響を受けて、場所により蛇行しするところもあるのか、距離が飛行機よりも200kmほど違うんですね。
3時間の価値=19,290円
「東京=福岡」という、同じ目的地を、新幹線あるいは飛行機を使った場合、その差は、何と言っても「時間」。
新幹線は約5時間に対して、飛行機は約2時間。
その差は約「3時間」。
普通運賃を比較すると、新幹線と飛行機の差は「19,290円」
(41,100円-21,810円=19,290円)
「飛行機を乗るが好き」などという趣向、「移動距離が●キロ以上の場合は飛行機を使う」という社内規定などの特別な場合を除き、「東京から福岡に移動する」という目的に対して、経済合理性という観点で考えれば、
3時間の差に対して19,290円を払う
ということになります。
1時間あたり6,430円です。(19,290円÷3時間=6,430円)
バスで「東京=福岡」で行く場合
夜行バスでも、東京=福岡を行くことができます。
- 運賃:15,000円(バス会社:西日本鉄道、はかた号 東京→福岡 ビジネス)
- 時間:約14時間
なんと半日以上バスの中です。
飛行機でしたら、東京=ニューヨークを飛べてしまいます。
バス、新幹線、飛行機の経済価値のマトリクス表
「東京=福岡」への移動で、バス・新幹線・飛行機での運賃・時間の差を比較すると、以下のようになります。
バスにのると | 新幹線にのると | 飛行機にのると | |
---|---|---|---|
バス利用者が | ー |
時間:9時間の削減 |
時間:12時間の削減 コスト:26,100円の増加 時間コスト:2,175円 |
新幹線利用者が |
時間:9時間の増加 |
ー |
時間:3時間の削減 |
飛行機利用者が | 時間:12時間の増加 コスト:26,100円の削減 時間コスト:2,175円 |
時間:3時間の増加 |
ー |
たとえば、新幹線での移動をバスに変更した場合、
時間が9時間の増加するものの、コストを6,180円を削減することができ、単位時間あたりのコスト効果は686円となります。
この結果が、何かに役立つというものではないですが。
時間を取るか、お金を取るか:移動時間をお金で買う
上の表は、同じ目的に対して、時間を取るのか、お金を取るのか、ということになると思います。
学生時代であれば、お金はないが時間はあるので、時間がかかってもいいので、安い方法で旅行をする、というのは、まさにこのことです。
一般的には「より早く、より安く」ということが判断ポイントになりますが、それ以外の効用を考えると、別の見方もできます。
飛行機より遅い新幹線でも、仕事をすれば生産性があがる?
新幹線での移動時間は5時間ですので、まとまった時間がとれます。
仕事や読書などにあてれば、かなりの成果となるでしょう。
これが飛行機ですと、
空港から上空まで離陸して、シートベルトサインが消えて、ドリンクサービスがあり、しばらくしたら、降下して、シートベルトサインが付き、目的地に到着。
ということになり、けっこう慌しくなります。
バスならではメリット「寝れる」
「移動時間に休む」という点でみると、新幹線では仮眠程度、飛行機ではほんのちょっと休む程度にしかなりません。
深夜に動くバスで、10時間以上も時間を睡眠時間にしてしまえば、他の交通手段で得られない効用となるでしょう。
(ただし、夜行バスでは、ニュースとなる事故もあるので、そういうことに巻き込まれないことを祈るばかりです。)
ドラッカーが警鐘していた「一人1日24時間しかない」
マネジメントの神様ピーター・ドラッカーが、こんなことを言っていました。
世界中の人々に平等に与えられているのが“1日24時間”という
「時間」
お金持ちでも貧乏でも、時間は皆平等に、1日24時間与えられている、ということです。
時間マネジメントをうまくしないと、成果は得られないということを、ドラッカーは警鐘されていました。
そのため、まずは自分の現状の時間の使い道を把握しなさい、と言っておられます。
また、細かい時間が点在しているのはダメで、まとまった時間を作りなさいとも言っています。
そういう点では「バスでの移動」というのは、ドラッカー的にはありなのかもしれません。
時間は「あるかないか」ではなくて、「作るか作らないか」で考えましょう。
by 黒川 康正