米国のトイザらスがついに倒産。
- おもちゃ販売大手・トイザらスが倒産
- 日本マクドナルド創業者・藤田田が作った「日本トイザらス」
- 収益が伸びなかった「日本トイザらス」
- 収益力をあげにくい「おもちゃ」という商材
- おもちゃを売らずに「おもちゃのプレイランド」事業へ
おもちゃ販売大手・トイザらスが倒産
9月に入り、こんなニュースが報じられました。
米トイザらス、数週間内に破産法申請か
(2017年9月15日)
満期を迎える4億ドル(約440億円)の債務返済に関して、その資金繰りが難しくなったようです。
そして、その数日後。
米トイザらス破産申請
(2017年9月19日)
資金の手当てがうまくいかずに破産申請となりました。なお「日本トイザらス「これまで通り営業」」ということです。
「トイザらス」と聞くと、思い出すのが、「日本トイザらス」です。
日本マクドナルド創業者・藤田田が作った「日本トイザらス」
「藤田田」といえば、日本にマクドナルドを展開してきたことで有名ですが、トイザらスも日本に持ってきています。ビジネスの基本は「女・口・子供」という考え方だったと聞いています。
藤田 田(ふじた でん、1926年(大正15年)3月13日 - 2004年(平成16年)4月21日)。
東大在学中の1950年(昭和25年)に輸入雑貨販売店「藤田商店」を設立。
1971年(昭和46年)に日本マクドナルド、1989年(平成元年)に日本トイザらス(アメリカのおもちゃ専門チェーントイザらスの日本法人)、1991年(平成3年)に日本ブロックバスター(アメリカのレンタルビデオチェーン「ブロックバスター」の日本法人)を展開。また、世界一のネクタイ・スカーフ製造販売会社である英国タイラック社と提携し、日本タイラックを創業。
「ブロックバスター」は、38店の全店舗を1999年(平成11年)11月にゲオへ売却。
収益が伸びなかった「日本トイザらス」
「日本トイザらス」が、数年前に日本で上場していた時に、株主になっていたことがあります。
当時の業績は散々でした。
今回の米国・トイザらスの不調の原因は、amazonの影響と言われていますが、日本トイザらスのときは、amazonはまだそこまで影響はなく、(たしか、amazonが扱う商材を拡大する前の時代)、「子供がおもちゃを買わない」「少子化」という要因による影響のほうが大きかったのように記憶しています。
総合電機メーカーの元・経営者などが、日本トイザらスの社長に就任し、就任時に大きな成功報酬(目標達成時のボーナス的なもの)を設定されましたが、なかなかうまく行きませんでした。
最終的に上場廃止となってしまいました。たしか、米国のトイザらス社によるTOBだったように思います。
収益力をあげにくい「おもちゃ」という商材
日本トイザらスのお店に何度か訪れたことがあり、広い売り場を持つ店舗に圧感されます。生活雑貨を扱うコストコと同じで、アメリカンな売り場です。
これだけ広大だと店舗費用はけっこう負担が大きいだろうなと思います。アメリカよりも、日本の場合はとくにそう思います。
生活雑貨ならば、需要がある程度あり、まとめ買いなどで客単価をあげて、収益を高めることができそうですが、「おもちゃ」となると、毎日買うものでもないし、高額なゲーム機以外は、客単価も低めになりやすい。
また、一般的に「おもちゃ」という商材は、売れるかどうかというのが予測しにくいと言われています。
お客さんの反響が想定よりもよく、ロングラン商品のおもちゃもありますが、同じようなものでも、なぜか全く売れなかったり、ということがあります。
日本トイザらスの状況を見ていると、アメリカのトイザらスでも、同じような状況なのではないでしょうか。単位面積当たりの収益は、そんなによくないと思います。
amazonの台頭が、その状況をさらに悪化したのでしょう。
おもちゃを売らずに「おもちゃのプレイランド」事業へ
あれだけ広い店舗面積を持つのだから、いっそのこと有料で、おもちゃを一定時間遊ばせるビジネスモデルに転換したほうがいいようにも感じます。
お店を「商品を見に行く/買いに行く場所」ではなく、「おもちゃで遊ぶ場所/気に入ったものを買う場所」という転換です。
とくに日本では、おもちゃを遊ぶ場所や友達というのが、一般家庭では少なくなりつつあるわけで、そういう機会を提供するという方が、ビジネス機会があり、企業資産の有効活用になるようにも思います。
そういうことを、すでにやっていたのかもしれませんが。。。
儲け続けることが企業の命題であり、資本主義の原則なのである。
by 藤田田