キタナイ工場は生産性が悪いのかどうか。

最近読んだ本の中に、こんな記述が。
・・・の工場に行った時、まず感じたのは、精密機器を作るにしては、掃除がゆきとどいておらず、あちこちにほこりが溜まっていることだった。働いている人たちにも生気が感じられず、これはそうとう重症だなと思った。
食品系の工場ですと、衛生面含め多いに問題あります。非食品系の工場でも、たしかに問題ありそうな気がします。
作られている製品・商品への影響だけでなく、何よりも働く人のモチベーションも下がりそうな感じです。
実際のところ、工場のキレイ・キタナイが、生産性にどう影響あるのでしょうか。関連する話題を、ちょっと調べてみました。
整理・整頓・清掃の3S
職場環境の整理・整頓・清掃のことを「3S」と呼ばれ、経営者の経営姿勢が表に現れ出されるチェック・ポイントと言われる点です。
工場ではない、事務系の職場でも、
固定席があると、ついつい書類がたまり、気がつくと机に書類の山ができていたということがあります。(フリーアドレスですと、物理的に日々仕舞うという行為が入るので、同じ場所にたまるということは少ないかもしれません。)
書類の山になればなるほど、必要な書類がなかなか見つけ出せなかったりということもあり、生産性がかなり落ちます。
割れ窓理論
街の割れている窓と犯罪率の関係性についてまとめた、有名な「割れ窓理論」があります。「割れている窓」という小さなことを放置していると、その地区の犯罪が起こりやすくなるというものです。ニューヨークでは、この逆のこととして、街の美化を徹底的に行い、犯罪率を低減させたという有名な実例があります。
この「窓割れ理論」は、工場・オフィスの職場環境と、働く人のモチベーションにも関係することでしょう。
また、工場での生産性について調べていたら、こんな内容にも出くわしました。
ロット生産は効率が悪い?
仕掛品をまとめて作り、いくつか溜まったら、次の工程へ回す、いわゆるロット生産方式。
感覚的に、効率良さそうな感じがします。
しかし、実は意外と効率が悪い結果になることが多いようです。(必ずしもというわけではなく。)
むしろ、溜めずに、次々と工程に回した方が効率がよいのだそうです。有名な「TOYOTAのかんばん方式」の1個流しの理論です。
1個流しならば、ストックの山でゴチャゴチャせずに、すっきりとした工程になりそうです。それだけでなく、作られる製品・商品に不具合があった際に、どこの問題があるのか、原因を特定しやすいというメリットもあります。
今回の標題の「キタナイ工場は生産性が悪い?」は、まさにその通りというですね。
汚い水の中では、よい魚は育たないのと同様に、汚い工場からは決して良質の製品は生まれない。それと同様に、雑然としたオフィスでは、スピーディー、かつ効率的な事務処理はできない
by 永守 重信