今回は「目標12 つくる責任 つかう責任」について見てみます。
SDGsには17の目標が定められています。
その一つである「目標12 つくる責任 つかう責任」について見てみます。
SDGs 目標 12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
国連の文章によれば、
- 2050年までに世界人口が96億人に達した場合、現在の生活様式を持続させるためには、地球が3つ必要になりかねません。
- インフラと建設部門で非金属鉱物の利用が増える中で、物質面の生活水準には大幅な改善が見られています。開発途上国の1人当たり「マテリアル・フットプリント」は、2000年の5メートルトンから2017年の9メートルトンへと増大しました。
- 世界最大の250社のうち93%は現在、サステナビリティー報告書を作成しています。
水
- 全世界の水資源のうち(飲用に適した)淡水は3%に満たず、しかも2.5%は南極や北極、氷河で凍り付いています。よって人類は、全体のわずか0.5%の淡水で人間生態系の淡水ニーズを満たさねばなりません。
- 人間は、自然が河川や湖沼で再生、浄化できる以上の速さで、水を汚染しています。
- 淡水にアクセスできない人々は、依然として10億人を超えています。
- 水の使い過ぎは、世界的な水ストレスを助長します。
- 水は自然から無償で手に入るものの、給水のためのインフラには大きなコストがかかります。
エネルギー
- 全世界の人々が電球を省エネ型に変えたとすれば、全世界で年間1,200億米ドルが節約できます。
- 技術の進歩による省エネの促進にもかかわらず、経済協力開発機構(OECD)諸国のエネルギー使用は、2020年までにさらに35%の増大を続けると見られます。世界的に見て、エネルギーの使用が最も急速に拡大しているのは輸送部門ですが、商業用・住宅用のエネルギー使用がこれに次いでいます。
- 2002年の時点で、OECD諸国の車両保有台数は5億5,000万台に達しています(うちマイカーは75%を占める)。2020年までに、車の所有台数は32%増大すると見られます。また、自動車の走行キロ数も40%増大すると見られているほか、世界全体の空路輸送距離も同時期に3倍に増える見込みです。
- 家計は地球全体のエネルギーの29%を消費することにより、二酸化炭素(CO2)排出量の21%を占めています。
- 2015年、最終エネルギー消費に占める持続可能エネルギーの割合は、17.5%に達しました。
食料
- 食料による環境への大きな影響は、生産段階(農業、食品加工)で生じていますが、家計は食べ物の選択や食習慣を通じて、こうした影響を左右します。その結果として、食料関連のエネルギー消費と廃棄物の発生による環境への影響も生じています。
- 毎年、生産される食料全体の3分の1に相当する13億トン、価値にしておよそ1兆ドルの食料が、消費者や小売業者のゴミ箱で腐ったり、劣悪な輸送・収穫実践によって傷んだりしています。
- 全世界で20億人が体重超過または肥満となっています。
- 土地の劣化、土壌肥沃度の低下、持続不可能な水利用、漁業資源の乱獲と海洋環境の破壊はいずれも、天然資源基盤の食料供給能力を低下させています。
- 食料部門は、全世界のエネルギー消費の約30%と、温室効果ガス排出量全体の約22%を占めています。
上記のような課題として、「経済活動による正味の福祉向上は、ライフサイクル全体を通じて資源の利用、劣化および汚染を減らす一方で、生活の質を高める」「生産者から最終消費者まで、あらゆる人を巻き込みながら、サプライチェーンの運用を大いに重視する」が求められています。
各企業における「目標12 つくる責任 つかう責任」の取り組み事例
大日本住友製薬株式会社
- 製品の安定供給、高品質の維持
- 安全性と副作用への対応
- 医薬品情報の適切な提供と収集
- 抗菌薬の適正使用の啓発活動
- 循環型社会への取り組み
- 災害等への突発事象への備え
三菱マテリアル株式会社
- 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生量を大幅に削減する。
丸紅株式会社
- 食品廃棄物の削減
- 安心・安全な畜産物の生産・販売
- 廃棄物の削減/資源の有効利用
- 資源開発における環境への配慮
- 金属資源の安定供給交通弱者のための移動支援実証実験
三菱電機株式会社
- 持続可能な生産消費形態の確保
メーカーの責任として、製品製造時に使用する資源量の削減、使用済み製品のリサイクルに取り組むほか、廃棄物最終処分量の低減、グリーン調達を推進しています。
株式会社SCREENホールディングス
- 環境配慮型製品・サービスで、CO2削減するなど、事業を通じて貢献している
調べてみて:企業の取り組みを表しやすい
この「目標12 つくる責任 つかう責任」は、持続可能な消費と生産に関する目標です。
企業での取り組みを見ていきますと、「環境配慮型商品を社会に供給」「グリーン調達など意識ある購買」「廃棄物の削減など循環型社会への取り組み」などが目立ちました。いろいろな取り組みを表しやすいと感じました。
建築家とは後世に残る建築物をつくる責任ある仕事であり、だからこそこんなに夢のある仕事だということ。
by 岸 隆司