この記事では、任天堂の財務諸表から"ニンテンドースイッチ後継機"を検証していきます。
任天堂の人気ゲーム機「Nintendo Switch」の後継機の発表が、今か今かと注目が集まっています。
2025年度中に"ニンテンドースイッチ後継機"を発表
現行機の「Nintendo Switch」は2017年に発売され、すでに7年以上経過していますので、機体のスペック的にも、そろそろ次世代機を出さないと、他社のゲーム機との性能差が大きく出てしまいます。
任天堂自身も2025年度中には、"ニンテンドースイッチ後継機"を発表するということを公言しており、
社長の古川です。2015年3月にNintendo Switchの存在を公表して以来9年ぶりにSwitchの後継機種に関するアナウンスを今期中に行います。また、2024年後半のSwitchソフトラインナップをお知らせするNintendo Directを6月に実施しますが、そこでは後継機種を扱いません。誤解のないようお願いいたします。
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) May 7, 2024
といったアナウンスを行っています。
2025年1月上旬現在、この5月のアナウンスから半年以上経つわけですが、その後の発表はなく、「今期中」と明言した2025年3月までカウントダウンが進んでいます。
任天堂の倉庫には"ニンテンドースイッチ後継機"が積まれている?
どのような機種になるのか、その内容は気になるところです。ネットニュースやYouTubeでは、製品と思わしき流出画像や、スペック等の予想などが流れていて、ここの記事では、それらに触れません。
新製品の発表、そしてすみやかに発売(過去の展開をみると、だいたい発表してから3ヶ月後に発売)ということを考えると、すでに任天堂の倉庫か何かには、"ニンテンドースイッチ後継機"が積まれ始めている可能性が高いです。
そこで、任天堂の財務諸表から、その存在を探ってみようと思います。
任天堂の財務諸表に"ニンテンドースイッチ後継機"が隠れている?
任天堂が公表している連結財務諸表の科目の一つに「棚卸資産」というのがあります。その内訳が公表されており、「製品」「仕掛品」「原材料及び貯蔵品」の細目での数値が公表されています。
たとえば、2024年9月末では、
- 製品:149,991 百万円
- 仕掛品:7,030 百万円
- 原材料及び貯蔵品:107,134 百万円
- 計(棚卸資産):264,155 百万円
となっています。
一般的に、
- 「製品」は、その名の通り、製品です。現行のニンテンドースイッチなどの商品が該当します。
- 「仕掛品」は、「製品」になる途中の状態のもの。
- 「原材料及び貯蔵品」は、「製品」になる材料や、未使用の消耗品を指します。
過去約8年分ほどの数値を引っ張ってくると、こんな感じです。
製品(百万円) | 仕掛品(百万円) | 原材料及び貯蔵品(百万円) | 棚卸資産(百万円) | |
---|---|---|---|---|
2016/3/31 | 36,300 | 30 | 4,102 | 40,433 |
2016/9/30 | 42,560 | 1,441 | 5,053 | 49,056 |
2017/3/31 | 35,824 | 117 | 3,187 | 39,129 |
2017/9/30 | 128,906 | 46 | 6,628 | 135,581 |
2018/3/31 | 129,483 | 63 | 12,248 | 141,795 |
2018/9/30 | 300,886 | 252 | 24,927 | 326,066 |
2019/3/31 | 99,918 | 795 | 34,756 | 135,470 |
2019/9/30 | 197,389 | 260 | 19,453 | 217,103 |
2020/3/31 | 71,815 | 19 | 17,158 | 88,994 |
2020/9/30 | 128,445 | 102 | 12,143 | 140,691 |
2021/3/31 | 70,544 | 3,718 | 12,554 | 86,817 |
2021/9/30 | 173,487 | 703 | 95,940 | 270,131 |
2022/3/31 | 96,301 | 69 | 107,812 | 204,183 |
2022/9/30 | 153,174 | 62 | 142,110 | 295,347 |
2023/3/31 | 182,837 | 153 | 75,637 | 258,628 |
2023/9/30 | 249,920 | 94 | 67,269 | 317,285 |
2024/3/31 | 89,638 | 77 | 66,270 | 155,987 |
2024/9/30 | 149,991 | 7,030 | 107,134 | 264,155 |
2017年に、現行のニンテンドースイッチが発売されてから、「製品」の金額の桁が一桁増えていて、大量に作り販売していたことを感じられます。
また2021年10月には、有機ELモデルのニンテンドースイッチが発売されています。その直前の2021年9月末の数値を見ると、「商品」が173,487百万円、「原材料及び貯蔵品」は95,940百万円と、前年よりも棚卸資産の金額が大きく、有機ELモデルのニンテンドースイッチを在庫として積み上げていたことがわかります。
さて、本題の"ニンテンドースイッチ後継機"。
"ニンテンドースイッチ後継機"は、すでに製品が作られて倉庫にあったとしても、「商品」という状態ではないので、「仕掛品」や「原材料及び貯蔵品」として計上されている可能性が高いと思います。2024年9月末の「仕掛品」は7,030百万円で、「原材料及び貯蔵品」は107,134百万円と、1年前と比べてかなり数値が増えているのがわかります。この中に"ニンテンドースイッチ後継機"があるのでしょうか?
仮に"ニンテンドースイッチ後継機"が、「原材料及び貯蔵品」107,134百万円にあるとして、
- "ニンテンドースイッチ後継機"の定価:40000円
- 資産額として認識する掛け率(%):10%
という条件としておくと、
原材料及び貯蔵品:107,134百万円
÷
"ニンテンドースイッチ後継機"の資産額(40000円×10%)
→2,678,350台
上結果では、約300万台の"ニンテンドースイッチ後継機"が、眠っている可能性があります。単なる数値遊びですが、"ニンテンドースイッチ後継機"の発売に向けて、準備等の動きはしていそうな感じです。