東証プライム市場上場予定企業を狙えば、お小遣いもらえるかも?
東京証券取引所の新市場が2022年4月4日から始まります。開始するならば、年度初めの4月1日でもよいような気がしますが、和暦では令和4年4月4日、まるで狙ったかのような日!
新市場の開始まで、約1ヶ月となりました。
今回は、部分的に変わるのではなく、
市場全体が変わり、日本の上場企業すべての上場市場名が変わります。
ある意味、これは大きなビジネスチャンスが内在しています。
印刷屋さん・Web屋さんへの特需
まずは、印刷物・Webでの会社概要の修正。
会社概要に「東証1部 XXXX」といった感じで記載をしている会社が多いと思います。
市場変更に伴い、「東証プライム市場 XXXX」のように修正を行っていく必要があります。
印刷している部分にシールをかぶせたり、印刷し直したりと印刷会社さんへの発注などがあるでしょう。Webも修正していく必要があるのでWeb屋さんもお小遣いがもらえるのではないでしょうか。
証券会社でのシステム変更
投資家から株式の売買を受け付ける証券会社でも、オンライン取引のための、上場市場名変更などの対応が必要となります。東京証券取引所の基幹システムも同様です。すべての証券システムのデータベースが入れ替わることになります。その他、変更に伴う改修もあることでしょう。
こういうシステム変更対応では、どこか一つの証券会社で対応ミスがあったりすると、全体への影響も大きい可能性があります。
何ヶ月も前から準備され、テスト等されて万全にされているとは思いますが、4月4日の取引はシステムダウンの危険日かもしれませんね。
コーポレート・ガバナンス対応
東証プライムに上場される企業には、東証が定めるコーポレート・ガバナンス・コードの遵守が求められます。
そのコードの中には、「サスティナビリティ」「社外役員の設置条件」など、他の市場よりも厳し目で、ハードルが上がる内容もあります。
自社だけでは対応難しい会社は、外部に頼る、といったことも考えられるので、この辺の領域も、ビジネス的な需要があるでしょう。
上場条件猶予企業の宿題対応
今回の新市場移行で、各市場には上場条件が定められています。
特に、大きな点としては「流通株式」の定義の変更。流通株式時価総額も条件に入っているので、持ち合いや子会社上場等の場合、今まで「東証1部市場」に上場していた会社が、「プライム市場」にそのまま移行できない、ということもありえます。
ただ、既存上場会社には猶予制度があり、今は条件を満たしてなくとも、その猶予期間内に条件に適合することを宣誓することで、「プライム市場」に行くことができたりします。
さきほどの「流通株式」では、簡単に言えば、金融機関や持ち合いなどで固定となっている株数の比率を下げて、一般の株主を増やしていくことになりますので、「立会外分売」や「売出し」なんかで、対応していく必要があります。そうすると、幹事証券会社に手数料が入ります。