新任取締役の経営手帳

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企業不祥事は、なぜ起きる?

企業不祥事は、なぜ起きる?

企業不祥事は、なぜ起きる?

 

毎年起きる企業の不祥事

wikiに「企業の不祥事」ページがあり、過去に国内外で起きた企業の不祥事リストが列挙されています。

そのリストにのっている、2000年以降の事件を、パッと見ると、

  • 2018年:KYB - 免震装置データ改竄
  • 2018年:スルガ銀行 - 不正融資
  • 2015年:東芝 - 長期に及ぶ不適切会計
  • 2015年:タカタ - エアバッグ不具合
  • 2011年:オリンパス事件 - 粉飾決算
  • 2007年:石屋製菓 - 賞味期限改竄
  • 2007年:船場吉兆 - 食品偽装
  • 2005年:構造計算書偽造問題
  • 2002年:牛肉偽装事件

など、業界全体や企業単体での不祥事、いろいろなことがあったことを思い出します。中には、その不祥事を発端に消滅してしまった企業などもあったりまします。

こうしてみると、周期というわけでもなく、
各年に大なり小なりの不祥事が起こっているんだなぁと思います。

 

しかし、何でこういう「企業不祥事」が、次々と起きるのでしょうか?

 

 

「粉飾会計」

たとえば「粉飾会計」。

基本的には、

  • 売上を大きくしたい
  • 利益を増やしたい

という経営者側の思いがあり、本来の適切な方法としては「販売実績が増えること」で、その思いを実現していくことになりますが、それができない場合、いろいろな粉飾を行うこととなります。

たとえば、

  • 書類上多く売れたことにする
  • 関係のある会社との取引で販売を水増しする
  • PLの費用をBSに隠す

など、エビデンスを無視した会計の数値遊びであれば、自由にできます。

保守的な会計をすれば、基本的に問題となることは少ないですが、
数年度分の売上を一括で計上したりといった、野心的な会計の場合、のちのちに問題となることが多々あります。

実際には、大きな会社や、株式を上場している会社ならば、監査法人が会計内容のチェックに入りますので、その時点で、大きな問題点は潰されるはずです。

それほど大きくない会社や、巧妙な証憑がある場合などは、問題点がスルーされ、そのまま会計結果となったりします。

以前、このサイトで取り上げたことのある「カネボウ」の粉飾会計は、その典型かと思います。

 

すべての企業が、会計を粉飾しようと思っているわけではありませんが、
売上高や利益などの業績を伸ばさなければいけない、というようなプレッシャーが経営者にあると、粉飾会計の道に進んでしまうのでしょう。

粉飾とは少し異なりますが、IPO後に、会社計画を下げてしまう新規上場の会社さんも、たまにあります。 IPO時には、夢のある計画値を掲げ、上場審査やIPO後には、未達の可能性が高いので、計画値を下げてしまう。そんな会社さんです。

 

 

 

「偽装」

偽装の種類としては、商品そのものや、検査データだったり、消費期限といった表示内容、などいろいろとあります。銀行の不正融資も、審査で必要とする書類を偽造(あるいは偽造が見抜けかった)といったことが原因で、偽装と似たような感じでしょう。

人の安全や命に関わるものであれば、偽装したがために、のちのちに、甚大な被害が起きる可能性があるので、こういったことは止めてほしいものです。

このような偽装は、現場で起きているとすれば、本来の作業手順等を守っていないということの現れで、内部監査等で発見できないといけいないものです。

逆に、現場ではなく、経営層からの指示で、偽装が行われているとしたら、会社のDNA的な感じで、根が深い問題と言えます。

 

 

 


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