監査等委員の役員報酬の相場について調べてみました。
- 岩塚製菓:社外 年間3.2百万円
- 四国銀行:常勤 年間18百万円 社外 年間6百万円
- 日本ケンタッキー・フライド・チキン:社外 年間12百万円
- 兼松エレクトロニクス:常勤 年間19百万円 社外 年間6百万円
- 扶桑化学工業:常勤 年間2百万円 社外 年間8百万円
- デンカ:常勤 年間26百万円 社外 年間12百万円
- マツダ:常勤 年間38百万円 社外 年間16百万円
- 京阪ホールディングス:常勤 年間21百万円 社外 年間8百万円
- テルモ:常勤 年間41百万円 社外 年間7百万円
- 本田技研工業:常勤 年間71百万円 社外 年間12百万円
- 参考)取締役の損害賠償責任
監査等委員会設置会社では、監査役の代わりに監査等委員である取締役がいて、従来の監査役的な役割に加え、社外取締役としての責務も加わります。
監査等委員の役員報酬について、その責任の大きさに見合ったものになっているのか、ふと、疑問に思い、直近の有価証券報告書から10社ほど調べてみました。
(おそらく、調べれば、役員報酬の統計的なものが、どこかにあるかもしれませんが、)
時価総額は2020年7月中旬のものです。
岩塚製菓:社外 年間3.2百万円
- 時価総額:220億円
- 監査等委員: 3名 9.6百万円
- (社外)監査等委員: 3名 9.6百万円
↓ - 常勤監査等委員:-
- 社外監査等委員:年間3.2百万円
報酬は月約30万円。
現実感のある金額です。
四国銀行:常勤 年間18百万円 社外 年間6百万円
- 時価総額:332億円
- 監査等委員: 6名 60百万円
- 常勤監査等委員: 2名 36百万円
↓ - 常勤監査等委員:年間18百万円
- 社外監査等委員:年間6百万円
社外の監査等委員の報酬は月約50万円。
時価総額が低い(失礼!)割には、高い印象です。
やはり、商品在庫が「お金」という、銀行ならではの現象でしょうか。
日本ケンタッキー・フライド・チキン:社外 年間12百万円
- 時価総額:577億円
- 監査等委員: 3名 36百万円
- (社外)監査等委員: 3名 36百万円
↓ - 常勤監査等委員:-
- 社外監査等委員:年間12百万円
意外と時価総額が低かった。
しかし、社外の監査等委員の報酬は月約100万円と、意外と高かった。
ベースが外資だからか、けっこうな金額となっています。
兼松エレクトロニクス:常勤 年間19百万円 社外 年間6百万円
- 時価総額:1,202億円
- 監査等委員: 4名 37百万円
- (社外)監査等委員: 3名 18百万円
↓ - 常勤監査等委員:年間19百万円
- 社外監査等委員:年間6百万円
社外の監査等委員の報酬は月約50万円。
扶桑化学工業:常勤 年間2百万円 社外 年間8百万円
- 時価総額:1,439億円
- 監査等委員: 5名 33百万円
- 常勤監査等委員: 1名 2百万円
↓ - 常勤監査等委員:年間2百万円
- 社外監査等委員:年間8百万円
社外の監査等委員の報酬は月約65万円。
常勤よりも社外の人のほうが、報酬が高いというのが「?」でした。
常勤の方は、別途手当があるのでしょうか。しかし、使用人兼務役員にはできないので、この通りなのでしょうか?謎です。
デンカ:常勤 年間26百万円 社外 年間12百万円
- 時価総額:2,331億円
- 監査等委員: 5名 68百万円 (2019.6-2020.3)
- (社外)監査等委員: 3名 27百万円(2019.6-2020.3)
↓ - 常勤監査等委員:年間26百万円 *年換算に変換
- 社外監査等委員:年間12百万円 *年換算に変換
社外の監査等委員の報酬は月約100万円。
マツダ:常勤 年間38百万円 社外 年間16百万円
- 時価総額:4,498億円
- 監査等委員: 6名 109百万円 (2019.6-2020.3)
- 常勤監査等委員: 2名 58百万円(2019.6-2020.3)
↓ - 常勤監査等委員:年間38百万円 *年換算に変換
- 社外監査等委員:年間16百万円 *年換算に変換
社外の監査等委員の報酬は月約130万円
京阪ホールディングス:常勤 年間21百万円 社外 年間8百万円
- 時価総額:5,296億円
- 監査等委員: 5名 68百万円
- (社外)監査等委員: 3名 25百万円
↓ - 常勤監査等委員:年間21百万円
- 社外監査等委員:年間8百万円
社外の監査等委員の報酬は月約65万円
テルモ:常勤 年間41百万円 社外 年間7百万円
- 時価総額:3.05兆円
- 監査等委員: 5名 72百万円
- 常勤監査等委員: 1名 41百万円
↓ - 常勤監査等委員:年間41百万円
- 社外監査等委員:年間7百万円
社外の監査等委員の報酬は月約55万円
本田技研工業:常勤 年間71百万円 社外 年間12百万円
- 時価総額:5.13兆円
- 常勤監査等委員: 2名 143百万円
- (社外)監査等委員: 4名 50百万円
↓ - 常勤監査等委員:年間71百万円
- 社外監査等委員:年間12百万円
社外の監査等委員の報酬は月約100万円
さすが、「世界のホンダ」ですね。
それよりも、常勤の監査等委員の報酬額にビックリしました。
参考)取締役の損害賠償責任
会社法では、取締役の損害賠償責任が定められています。
取締役の判断ミスや、利益相反取引、法の逸脱など、善管注意義務を怠り、会社に損害を与えてしまった場合、会社は、その損害を当該取締役に請求することが出来ます。
なお、限度額が決まっていて、下記のような上限が会社法で定まっています。
- 代表取締役:年間報酬等の額×6
- 業務執行の取締役:年間報酬等の額×4
- 上記以外の取締役:年間報酬等の額×2
不安の場合、保険会社の「会社役員賠償責任保険(D&O保険) 」に入り、万が一の事態に備えることが多いです。