ついに来月10月から消費税10%増税へ。
消費税10%への増税が、いよいよ来月10月1日から始まります。
改めて、今回の消費税10%増税の目的と、現在の話題など。
消費税増税の目的
政府は、今回の消費税10%への増税の目的として、国分の消費税を年金・医療・介護・子ども・子育て支援を含めた「社会保障4経費」に充てるとしています。
「高齢者3経費」から「社会保障4経費」へと社会保障費を増やしている分、上図のスキマ(B-A')を見ると、約15兆円が財源不足していることがわかります。
しかし、この「社会保障4経費」の支出額をよく見ると、増税しても資金不足は消えず。むしろ、「高齢者3経費」から「社会保障4経費」へと社会保障費を増やしている分、不足額が増加しているような。。。
これを見ると、今後さらに増税する布石のようにも感じます。
ややこしい消費税の「軽減税率制度」
消費税10%に増税しますが、対象物によっては、 税率が従来の8%になったり、あるいは10%になったりと、少しややこしい制度があるのが、従来の消費税と違う点だと思います。
「軽減税率対象品目」としてあげられているのが、基本的に以下のように定められています。
軽減税率対象品目
・飲食料品
・定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞
「飲食料品」は、一般生活者の日常生活の家計負担が大きくならないようにという配慮ということはわかりますが、
「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」
も対象になるのは、ちょっとわかりません。(新聞以外の雑誌等は、なぜダメなのでしょうか)
「区分経理」が必要
この「軽減税率制度」があるために、事業者は「区分経理」を行う必要があり、「区分記載請求書等保存方式」として、帳簿に「軽減税率の対象品目である旨」も記録しておかないといけません。
大きな企業や普通の会計ソフトを使われているところならば、この辺の対応は容易でしょうが、小規模の事業者や小さな飲食店などは、レジのシステム対応などが煩雑になりそうです。
交際費が8%の場合と10%の場合
法人で、販売する側ではなく、購入する側で気をつけないといけないのが、たとえば「交際費が8%になる場合と10%になる場合」があるということです。
具体的には
- テイクアウトした食材で会食→交際費の消費税率8%
- 外のお店で会食→交際費の消費税率10%
ということがありえます。
同じ事象なのに、少しややこしいです。
キャッシュレス・消費者還元
さらに、今回の消費税10%増税で、消費者側へのポイント還元制度が用意されています。数年前にあった、エコポイントのような仕組みでしょうか。
具体的には、
需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や
消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の9カ月間に限り、
中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する
という内容です。
10月1日以降、対象事業者にて現金ではなくキャッシュレス決済(クレジット、電子マネー等)を行なった場合に2%あるいは5%をポイントやキャッシュバックで還元されます。
「消費税 ポイント還元」などと検索すると、対象店舗などを調べることができます。
増税前の駆け込み需要が減る?
通常、消費税の増税前には、生活者等の駆け込み需要があります。
しかし、今回は、そのような需要が明確に起きていないようです。
おそらく、このポイント還元制度が、条件によっては5%還元となり、増税前よりもおトクに変えてしまう場合があり、生活者の購買需要を抑制させているのかもしれません。
日本国民ですから税金はきちんと納めないといけませんが、今回の「消費税10%」は、制度が絡み合っている分、抜け道がありそうですね。
経営者にとって、税金を払うことは身を切られる思いがします。
by 稲盛和夫