新任取締役の経営手帳

取締役のイロハ/ベンチャー・上場会社の経営/会社法などの法制度/時事話題

SDGsとは何か(その2):目標2 飢餓をゼロに

 

SDGsとは何か(その2):目標2 飢餓をゼロに

 

 

SDGsには17の目標が定められています。

その一つである「目標2 飢餓をゼロに」について見てみます。

 

SDGs 目標 2 飢餓をゼロに

 国連の文章によれば、

 

飢餓

  • 現在、世界人口の9人に1人(8億1,500万人)が栄養不良に陥っています。
  • 世界で飢餓に苦しむ人々の多くが暮らす開発途上国では、栄養不良率が人口の12.9%に達しています。
  • 飢餓に陥っている人々が最も多いのはアジアで、全体の3分の2を占めています。南アジアの割合は近年、低下してきていますが、西アジアの割合は微増となっています。
  • 最も飢餓が広がっている南アジアでは、約2億8,100万人が栄養不良に陥っています。サハラ以南アフリカでは、2014‐2016年の期間予測値で、栄養不良率がおよそ23%に上ります。
  • 栄養不良が原因で死亡する5歳未満の子どもは年間310万人と、子どもの死者数のほぼ半数(45%)を占めています。
  • 世界の子どもの4人に1人は、発育不全の状態にあります。開発途上国に限ると、この割合は3人に1人に上昇します。
  • 開発途上国では、就学年齢の子ども6,600万人が空腹のまま学校に通っていますが、アフリカだけでも、その数は2,300万人に上ります。

 

食料の安定確保

  • 世界で最も就業者が多い産業である農業は、現在の世界人口の40%に生計手段を提供しています。また、農村部の貧困世帯にとっては、農業が最大の所得源かつ雇用源となっています。
  • ほとんどが天水農業を営む全世界5億軒の小規模農家は、開発途上地域の大部分で消費される食料の80%程度を提供しています。小規模農家への投資は、最貧層の食料安全保障と栄養状態を改善し、国内・世界市場向けの食料生産を増大させる重要な手段です。
  • 1900年代以来、農地からは作物多様性の約75%が失われています。農業多様性をよりよく活用すれば、さらに栄養豊富な食生活、農村の生計改善、営農組織のレジリエンスと持続可能性向上に貢献できます。
  • 女性の農民が男性と平等に資源にアクセスできれば、全世界で飢餓に苦しむ人々を1億5,000万人も減らせる可能性があります。
  • 全世界で40億人が電力を利用できていませんが、そのほとんどは開発途上地域の農村部で暮らしています。多くの地域ではエネルギーの貧困が、貧困を削減し、世界が将来の需要を満たせるだけの食料を生産できるようにするうえで、根本的な障壁となっています。

 

上記のような課題を解決するために、「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」の実現に向けた取り組みが求められています。

 

 

各企業における「目標2 飢餓をゼロに」の取り組み事例

第一生命ホールディングス株式会社

  1. ESG投融資の一環として「インクルーシブ・ビジネス・ボンド」等への投資
  2. インドの農村部における科学的農業手法の教育

 

株式会社クボタ

  1. 農業の効率化によって 豊かで安定的な食料の生産に貢献

 

キユーピー株式会社

  1. 野菜のメニューを食卓の主役に
  2. 卵の魅力を発信

 

NECネッツエスアイ株式会社

  1. 国際協力活動への貢献:使用済み切手の収集

 

株式会社ヤマヲ

  1. 2020年 製造ロス率、終売ロス率に関して、部門毎の目標数値の達成
  2. 2030年 製造ロス、終売ロスを0にする製造管理システムが確立された会社

 

株式会社名古屋銀行

  1. 「あいち・じもと農林漁業成長応援ファンド」の設立
  2. 農業者向け融資「農業の底力
  3. あいち・じもと農林漁業成長応援「食」と「農」の大商談会の開催

 

キリンホールディングス株式会社

  1. 食の安全・安心の確保
  2. サプライチェーンの持続可能性強化

 

小川珈琲株式会社

  1. 「フェアトレード認証コーヒー」の取扱い
  2. 「バードフレンドリー®」の取扱い
  3. オランウータンコーヒー

 

丸紅株式会社

  1. グループの穀物ネットワークを活用し、日本をはじめ世界各国へ穀物を輸出し、食糧の安定供給に貢献。
  2. 新技術を通じ農業資材の分野で各農家のニーズに応えたきめ細やかなサービスを提供し、生産性の向上に貢献。

 

大日本住友製薬株式会社

  1. 社員食堂を通じたTABLE FOR TWOへの参加(日本:5事業所)
  2. 乳幼児の正常な発育に必要な栄養指導(カンボジア)
  3. ハイチ大地震の被災地における食糧支援(ハイチ)
  4. 東日本大震災被災地のこども食堂への支援(宮城県石巻市)

 

 

 調べてみて:この対応を進めている企業は少ない

「目標1 貧困をなくそう」同様、この「目標2 飢餓をゼロに」も、全般的に取り組んでいる内容が少ないように感じました。

「食」「農業」といった分野で事業を行われている会社での取り組み事例をよく見かけます。

食品系会社の場合、食の安心・安全での取り組み、製造時の廃棄量を削減、フェアトレード系商材の活用などといったことを、この「目標2 飢餓をゼロに」の取り組み実績にするといった例も見かけられます。

あるいは農作機械系の会社が自社の機械により農作業の効率化を実現することも、この取り組みとして掲げられています。

「食」「農業」以外の事業分野の会社になると、食料支援系の寄付や支援などを行う以外には、どうしても取り組みづらい分野であると思います。

 

 

 



インスタントラーメンは地球を救うと思っているんです
by 安藤 宏基

 

 


Copyright © 2016 新任取締役の経営手帳 All Rights Reserved.


このサイトでは、第三者配信による広告サービスを利用しています。このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 (氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。

このサイトは、Amazon.co.jpなどを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムの参加者です。




[Related Sites]
Travel Note | Food Note | Graffiti Note | Flying Note | Business Note | INSTAGRAM(Travel Experience) | INSTAGRAM(Food Experience) | Photo Essay