企業にとって販路開拓は永遠の課題です。
by 佐藤 誠治

いくら良い商品でも、それが売れなければ、ビジネスとしては成立しません。
つまり
商品開発 → 商品製造 → 商品販売 → 代金回収
というのが一つのサイクルで、商品を売って、その代金を回収することで、会社にお金が入ることになり、それが企業活動の資金となります。
販路を荒技で作った出光佐三
出光グループの創業者・出光佐三の人生を映画化した「海賊と呼ばれた男」があります。
出光創業時、油屋を始めたものの、後発組での参入だったため、まわりの客にはすでに固定のお店がついていて、なかなか販路を作れない。そこで、漁に出ている漁師の船へ、船で油を直接売りにいく荒技をおこなうことで、販路を作っていきました。
先日、飛行機の中で、この「海賊と呼ばれた男」の映画を見て、そういう場面がでてきて、改めて販路の大切さを思いました。
創業時は研究・製造に徹した「松下電器」
少ない経営リソースをどこに集中させるか。
創業時の松下電器は、セールス網は作るのは、当時のリソースでは大変なので、松下電器は研究・製造に専念し、販売代理店に商品販売をがんばってもらうという、製造卸販売の形をとりました。
そういう役割分担のおかげで、ベンチャーだった松下電器は、先進的な商品を作り、さらにその品質を上げていくということを、他社に先駆けてできたのだと思います。
「広告は商品の肥やしだ」
ライオンの創業者、小林富次郎(こばやし とみじろう)は、「広告は商品の肥やしだ」と言って日本で初めて広告に力を入れた会社と言われています。
商品があるということを、ターゲットとする利用者が存在を感じてもらわないと、買ってもらうことができません。そのために、広告を活用したのだそうです。
富次郎は、ライオンの商品を広めるために、音楽隊を結成。当時流行していた軍歌の替え歌を歌いながら、先頭に立って全国を巡回したんだとか。ライオンによると、この歌が、CMソング第一号といわれている
今でこそ、商品サンプル提供が一般的になっていますが、それもライオンが始めたとか。
企業活動の基本は、商品・サービスをお客さんに買ってもらって、成立するものです。その売り方というのは、各社いろいろと考えて試すことで、その販売活動が確立して来るのだと思います。