株価の動きを見て思ったこと。
トルコ通貨危機 金融市場大荒れ
この記事を書いているのは2018年8月13日で、先週末の2018年8月10日にトルコ通貨の大幅下落が発生し、日本の株式市場も大きく下がりました。
- 8月10日は前日比300ポイント↓
- 8月11日は前日比441ポイント↓
というように、日経平均は2日間で計741ポイント下がり、約3%の下落です。株式投資などをされている方には、大きな被害を被られた方もいるでしょう。
大暴落は世界が終わる日?
こういう株価指数が大きく下がった時などには、テレビのニュースなど「金融市場、大暴落!」というような感じ報じられ、「何か大変なことが起きている」ような感じを与えます。まるで世界が終わるような感じの時もあります。
しかし、実際のところ、株価が大きく下がった日や上がった日でも、普段の日常生活は変わらずに進んでいき、大きな影響が感じることがありません。
そして、数日経つと、大きく下がった株価指数は元の水準に戻っていたりして、ニュースで報じられた「何か大変なこと」はどこに行ったのか?と感じることがあります。
値動きの上げ下げ:生活に関係するモノとそうでないモノ
為替や原油価格などは、生活商品やガソリンなどの価格に反映されるので、それらの日々の値動きは、日常生活に影響のあるモノと言えます。
同じように、株価あるいは株価指数が上がったり下がったりすることは、日頃の日常生活に影響があるのでしょうか?
投資信託や年金などは、数字の増減に影響がありますので、間接的または将来的には、生活者への影響は現れてくるでしょう。
しかし、株式投資等を行っていないならば、今日の株価が大きく上がったり下がったりしても、明日の生活に"直接的"に何か困ることが起きることは少なさそうです。(「直接的」にはなくとも、「間接的」には多少の影響はあるかもしれません。)
たとえば、日頃使っている商品を販売している会社Aの株価が大きく上がったからと言って、その商品の価格が増加するということにはならないでしょう。
あるいは、会社Aに倒産の可能性があり、株価が大きく下がっているということはあるかもしれません。(なお、株価が大きく下落したからといって、会社の倒産にはなりません。)
日経平均が伸びると生活水準も上がる?
影響は、すぐにではなく、後から来るように思います。
日経平均が伸びて、給与等がすぐに増えるのかというと、すぐにはそうなりません。
しかし、株価が伸びている会社は、数年後には、業績が今よりも大きく伸び、給与額も伸びる可能性が高いです。
株価は、現在よりも将来を表すものといえます。将来の期待が高いほど株価が高くなり、期待が低いと株価は安くなるものです。
日経平均と経済指標の関係
株価は、ある種の先行指標で、「将来に対して不安を持っている」ならば株価は伸びず、あるいは「期待度が高い」ならば株価は伸びる傾向にあります。
たとえば、ここ10年ほどの「日経平均」「完全失業率」「四半期GDP前期比」をピックアップしてみたのが、下の表です。
年月 | 日経平均 | 完全失業率 | GDP伸び率 |
---|---|---|---|
2008年3月 | 12,525 | 3.8% | +0.6% |
2009年3月 | 8,109 | 4.8% | -8.8% |
2010年3月 | 11,089 | 5.1% | +4.6% |
2011年3月 | 9,755 | 4.7% | +0.7% |
2012年3月 | 10,083 | 4.5% | +3.1% |
2013年3月 | 12,397 | 4.1% | +0.5% |
2014年3月 | 14,827 | 3.7% | +3.0% |
2015年3月 | 19,206 | 3.4% | +0.2% |
2016年3月 | 16,758 | 3.2% | +0.5% |
2017年3月 | 18,909 | 2.8% | +1.5% |
2018年3月 | 21,454 | 2.5% | +1.0% |
こうしてみると、失業率が4%を超えていたり、GDPの伸びが悪いと、日経平均も低い状態にあったりします。
株価や日経平均のUP/Down自体は、私たちの生活に直接は影響はないけれど、世の中の状況や動向の将来の期待値を表したのが、株価や日経平均ということと言えます。
バブル崩壊で、日経平均が4万円弱から1万円以下にまで下がりました。でも、株価が4分の1になったからといって、日本のGDPが4分の1になったわけではありません。
by 松本 大