社会人の夏休みについて。
6月に早い夏休みをいただき、二週間ほど、海外や国内などを回っていました。
会社員だった頃は、夏休みのような長期の休暇を取る際は、上司の許可や周りの人との調整などが必要でしたが、今は仕事上の都合がつけば、休みを自由にとれるようになりました。(もっとも、インターネットの進化で、ある程度の仕事が、遠方にいても対応できるようになったということも、大きな要因の一つです。)
法的な休みがない「取締役」
以前にも記事として取り上げたことがありますが、社員の場合は、労働基準法で年間の休日数が定められていますが、取締役などの役員は、そういうものがありません。
社員と取締役の違いとして、取締役などの役員は会社を代表する「雇用主」という立場で、従業員は会社の「使用者」という法的な身分の違いがあるためです。
そのため、役員の場合、休日だけでなく、労働時間も法的には定められていないので、1日24時間働こうが、1時間働こうが、あるいは働かなくとも(実際の会社での業務が、それで回るのかどうかという点がありますが)、基本的に自由な身分です。
とはいえ、それですと、会社の業務が回らない可能性がありますので、就業規則や役員服務規程などで内規の就業ルールを定めたりしています。
社長の夏休みの状況
世の中的に、普通の社員と比べて、役員や社長などの方が、夏休みの条件が有利となっているのではないだろうか、と思い、Webを調べてみると。。。
残念ながら、そういう調査結果はほとんど出てきませんでした。
逆に、役員や社長などの方が、休日や夏休みを返上して働いていることの方が多いかもしれません。。。
社会人の夏休みの状況として、よく出てくるのは、
- 日本人の有休消化率は世界最下位
- 日本人の夏休み日数は欧州と比べて短い
- 日本人の夏休みはお盆期間に集中
- 日本人は休みの日にリフレッシュしない。逆に疲れて職場に復帰。
というような、調査会社での結果やネットのアンケート調査などが出てきます。だいたい想像がつく、今さら感のある結果です。
現在、「働き方改革」が叫ばれていますが、こういう日本人の体質的なものは、なかなか変えられないと思います。
世の中にある特別な休暇制度
「働き方改革」と言えば、こんな「働き方・休み方改善ポータルサイト」というものが、厚生労働省により開設されています。
各企業で取り組んでいる、働き方や休み方の状況や取り組みの内容などを紹介しているサイトです。
そのサイトをみると、ちょっと変わった休暇制度のことも紹介されています。
- セイコーエプソン株式会社:「健やか休暇」
私傷病、育児、 介護事由で取得できる、法定外の有給休暇制度。子どもの 学校行事への参加や子供が病気の時などにも利用することができる。 - 第一三共株式会社:「骨髄移植ドナー休暇」
骨髄移植ドナー休暇は、骨髄バンクへの登録、検査、提供 時の入院、事後健診と、それぞれの過程で必要な日数が付与される。 - 協和界面科学株式会社:「記念日休暇」
自身や家族の誕生日、結婚記念日等個人的な記念日を1日設定し、毎年 有給で休める制度 - アルス株式会社:「裁判員休暇」
裁判員として職務遂行するための「裁判員休暇」 - 株式会社 ジェイエイシーリクルートメント:「積立有給休暇制度」
積立有給休暇制度は、失効する年次有給休暇を最大 40 日まで積み立てることができる。
これらをみると、会社の休暇制度は進化してきていると感じます。制度はあっても、実際に社員などがその制度を利用して休むことで、その制度が初めて機能するものです。促進させることも含め、今後もいろいろと変わっていくんでしょうね。
夏休みの一週間、まったく仕事のことを考えない。
by 岡藤 正広