日経平均株価からみた日本経済の将来について
株価 = 企業への期待値
株式を上場している企業ならば、日々の自社の株価の動きが気になります。
株価というのは、社会からの期待値でもあるので、たとえば、「同業他社と比べて安いのか・高いのか」「本来の企業価値と比べて安いのか・高いのか」など、いろいろと比較してしまうことがあります。
日本経済への期待値 = 日経平均株価
企業だけでなく、経済全体も、こういう値動きで毎日評価されています。
日本の株式市場を代表する指標といえば「日経平均株価」。
なお、日経平均は東京証券取引所第1部上場企業・225社の株価を使った指標です。東証一部には約2,000社が上場しており、その全企業の株価を使った指標である「TOPIX」の方が、本来の市場の動きを表していると思います、ここでは「日経平均株価」を取り上げます。
「株価の暴落 = 経済の終わり」という恐怖感
日経平均株価の日々の状況は、新聞やテレビなどで伝えられています。
とくに、日経平均株価が、大きく下げた日には、「日本経済の危機か?」などのように伝えられることが多いと思います。
個々の企業への期待度が株価として現れ、それらの集合体が「日経平均株価」としてまとめられているわけですので、日経平均株価が大きく下がるということは、企業への期待度も下がったことになります。
日本経済は下落傾向?
日経平均株価は、225社の「現在」の株価により算出されています。ここ最近の日経平均株価の動きを見ていると、いろいろな社会情勢を反映した動きになっています。
さらに「日経平均株価の先物指数」というものがあります。先物とは、簡単に言えば「将来のある期日時点での値を予想したもの」で、「日経平均株価の先物指数」は、将来の日経平均株価を予想して、投資家の間で売買されています。
「日経平均株価の先物指数」は、ある意味で日本経済の「将来の見通し」と呼べるかもしれません。
その日経平均株価の先物の直近の状況は、こんな感じになっています。
21,680
(日経平均先物)
2018年04月:21,680
2018年05月:21,680
2018年06月:21,675
2018年07月:21,645
2018年09月:21,625
2018年12月:21,460
2019年03月:21,395
2019年06月:21,200
2019年12月:21,070
2022年06月:19,950
これをみると、5月の日経平均は、4月と同じような値段で、6月以降から年末にかけては下がるという価格が形成されています。
なお、将来価値を現在価値に割り戻すと、金利分小さくなります。(今の1万円と1年後の1万円は同じではないということ。)
それでも、上の数値の推移を見ると、金利分割り引いても、日本の経済の将来は、それほど明るくはなく、大きく伸びるというように見られていないように感じます。
その背景には、政情リスクや半島問題などもあり、不透明と思われているのかもしれません。
日経平均株価は、投資家の心理を表しているものの、それが日本経済や社会の将来が必ずそうなることを表しているわけではなく、 未知数が多いことなのかもしれません。
重要なのは、日経平均株価の1日の値動きのような短期的なことに目を向けるのではなく、長期的に物事を見ること。
by 藤巻 健史