ここ数年ブームとなっている「デザイン思考(Design Thinking)」というキーワードがあります。
「デザイン思考(Design Thinking)」とは何か
「デザイン思考」とは、世の中に流通している定義をもってくると、
Design thinking can be described as a discipline that uses the designer’s sensibility and methods to match people’s needs with what is technologically feasible and what a viable business strategy can convert into customer value and market opportunity.
これは、デザインコンサルティング会社・IDEOの代表である、Tim Brownが述べたものです。
日本語で簡単に言い表せば、
社会のニーズをデザイナーのようなクリエイティブな発想法で具現化し、商品やビジネスなどでの解決を目指す方法
とも言えます。
なお、この「IDEO」というのは、昔はデザイン会社でした。有名なのは、初期のAppleのマッキントッシュのマウスの原型です。それが、いつの頃からか、デザインではなく、クリエイティブ思考法でのコンサルティングを手掛けるようになっていきました。
顧客のニーズを具現化する
この「デザイン思考」というのは、簡単に言えば、「世の中が欲しているもの」や「顧客のニーズ」を具現化するということです。
そういうニーズというのは、明確な形になっているわけではありません。データを調べたからといっても、浮かびにくいものです。
「どういうものを欲しているのか」、いろいろな事象を見ながら発想しながら、具現化していくことになります。そのプロセスが「デザイン思考」となります。
企業態勢も変えるデザイン思考
デザイン思考は、新商品開発やビジネス開発の他にも、企業そのものにも利用できます。
企業を端的に表すものとして「CI(Corporate Identity)」というものがあります。
これは、
企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ。
というもので、わかりやすくは、企業のロゴなどが、CIにおける表出物の一つです。
どういう企業になりたいのか、今後の経営戦略や事業戦略なども含めて、それらを役員・社員らでトコトン議論し、出てきた方向性や結論を、一つの企業ロゴに集約する。
すると、その企業ロゴが、企業内外に思いを代弁することになり、企業内の結束力や顧客への伝播が進みやすく、思い描いた通りに事業展開をしやすくなることがあります。
そのように、旧企業ロゴから新ロゴに変えた企業の中には、大きく変革を遂げて、事業成長が続けている企業もあります。
ただし、ここで注意すべき点は、ただたんに企業ロゴを変えました、というのではあまり意味がなくて、そこに至るプロセスこそが重要です。
役社員などが、自分たちの思いや考えを一つにまとめていくというプロセスです。そういう過程を経ることで、組織内に目指す方向性などが共有され、強い組織になっていくのです。
数年前に、夜間に開講する、社会人向け学校の経営デザインコースに1年間通い、そこで「デザイン思考」に出会うこととなり、いろいろな意味でよい変化が生まれました。
うちの豆腐を知ってもらうために、ハデなデザインで
みんなの注目を集めようと思ったんです。
by 伊藤 信吾