新任取締役の経営手帳

取締役のイロハ、ベンチャー、上場会社、会社法・仕組み・概念・手続き、時事話題

「監査等委員会」設置会社での定時株主総会の注意点

【スポンサーリンク】

【スポンサーリンク】

新しい機関設計である「監査等委員会」設置会社での定時株主総会の注意点を備忘録的にまとめてみました。

 

f:id:kota-mishima:20171108155252j:plain

 

 

手順を間違えると無効となる「株主総会」

「株式会社」、とくに上場会社においてはミスができない行事が「株主総会」です。

本店場所を移転したり、取締役を決めたり、配当金を払い出したりなど、株主総会では重要なことを決定します。

株主総会の開催には、法的な手順が決まっていて、その何かを省略したり、所定の日程を間違えていたりすると、株主総会を開催しても、その決議内容が無効となる可能性もあります。

ベンチャー企業や小さな未上場会社の場合は、そういう不備があっても、書類などをバックデートして、つじつまを合わせてしまうということも可能。(こっそりと直す)

しかし、上場会社の場合は、社会的に「公」な会社ですので、そういうわけにはいきません。

 

 

 

監査等委員会設置会社での注意点

「監査等委員会」設置会社という仕組みは、改正・会社法が施行されて2年ぐらいの新しいものなので、まだまだ不慣れな点が多く、

たとえば、

「監査等委員 」とすべきところを「監査委員 」としてしまった。

 

監査報告書内の文言を、監査役時代の文言のままだった

 

などいった、いろいろと細かなミスが頻出しているそうです。

 

 株主総会関連で、従来の「監査役」設置会社のときと違う点としては、

  • 事業報告書などでは、取締役及び監査役の報酬等で、監査等委員会設置会社移行前の分も、「監査役」と「取締役(監査等委員である)」として併記する。

  • 取締役(監査等委員でない)の任期は1年。毎年選任する必要がある。なお、取締役(監査等委員である)の任期は2年。

  • 監査等委員会は「指名委員会」としての役割も持つ:取締役の選任に対してコメントを表明する

 

 

監査等委員による取締役の選任に対してコメント・サンプル文

「監査等委員会」設置会社になると、「取締役(監査等委員でない)」の任期が1年となり、毎年の株主総会にて、毎回選任する必要があります。

その際、従来の監査役設置会社では、監査役が取締役候補者について、何かコメントすることはありませんでした。(監査役選任の際に「異議なし」旨のコメントする程度でした。)

 

しかし、監査等委員会は、「指名委員会」としての役割も持つため、以下の責任を持ちます。

監査等委員以外の取締役の選解任または報酬等に対する意見の決定

監査等委員会は、監査等委員である取締役以外の取締役の選任、解任および辞任ならびに報酬等について、意見を決定しなければならず(会社法399条の2第3項3号)、これらの意見については、監査等委員会が選定する監査等委員に株主総会での意見陳述権が認められています(会社法342条の2第4項、361条6項)

 

つまり、「監査等委員会」が、「取締役候補者」選任の意見を決定する必要があります。

株主総会の招集通知への記載には、以下のような3つぐらいのパターンがよく使われています。

 

サンプル1

第X号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く。)X名選任の件

取締役(監査等委員である取締役を除く。)全員(X名)は、本総会終結の時をもって任期満了となりますので、取締役(監査等委員である取締役を除く。)X名の選任をお願いいたしたいと存じます。なお、本議案につきましては、監査等委員会において検討がなされましたが、意見はございませんでした。

 

サンプル2

第X号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く。)X名選任の件

取締役(監査等委員である取締役を除く。)全員(X名)は、本総会終結の時をもって任期満了となりますので、取締役(監査等委員である取締役を除く。)X名の選任をお願いいたしたいと存じます。なお、本議案については、監査等委員会から全ての候補者について適任である旨の意見を得ています。

 

サンプル3

第X号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く。)X名選任の件

取締役(監査等委員である取締役を除く。)全員(X名)は、本総会終結の時をもって任期満了となりますので、取締役(監査等委員である取締役を除く。)X名の選任をお願いいたしたいと存じます。なお、本議案に関しましては、監査等委員会から、各候補者に関する当事業年度における業務執行状況並びに業績等を踏まえ、当社の取締役として適任であるとの意見表明を受けております。

 

上のようなコメントを付して、取締役の選任に対する意見」とすることになります。 

 

 

 

定時株主総会を開催するまでのスケジュールイメージ

計算書類・事業報告などに関して、会社から受領する資料等に関しては、監査役会設置会社のときと、大きな変更はないです。

 

*上場会社:会計監査人設置会社の場合
日程 項目 備考
決算末    
t日 計算書類/附属明細書、事業報告/附属明細書の作成  
t+a日 計算書類/附属明細書を提出
 →会計監査人
 →監査等委員会(特定監査等委員)
 
t+b日 事業報告/附属明細書を提出
 →監査等委員会(特定監査等委員)
 
t+c日 会計監査報告を通知(会計監査人)
 →特定取締役
 →監査等委員会(特定監査等委員)
受領後4週間以内
t+d日 監査報告を通知(監査等委員会)
 →特定取締役
 →会計監査人
受領後4週間以内
t+e日 計算書類/附属明細書、事業報告/附属明細書を取締役会にて承認 上記監査報告が出てから
t+f日 株主総会の招集を取締役会にて承認 株主総会開催の2週間前までに招集通知
t+g日 株主総会での承認 決算末から3ヶ月以内に開催

 

 

 



監査役の最も重要な任務は、取締役がきちんと仕事をしているかを見張ること
by 橋都 浩平



Copyright © 2017 新任取締役の経営手帳 All Rights Reserved.

[他のサイト]
落書きノート | トラベルPhoto | 趣味の飛行機 | 経営日記