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CSRによる企業価値の影響:CSRの費用対効果

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CSRによって、企業価値はどのぐらい影響を受けるのか、考えてみました。

 

CSRによる企業価値の影響:CSRの費用対効果
CSRは環境ばかりではありません

 

 

企業市民・CSR

昨今、企業の社会的責任が強く求められ、また積極的にそのような活動に取り組む企業があります。

 

いわゆるCSRです。

CSRとは、ご存知の方も多いと思いますが、以下のような定義です、

Corporate Social Responsibilityとは、企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会に貢献する責任のことである。

企業も人同様に、利益の追求だけでなく、社会によいこともしなくてはいけないという、企業市民の考え方です。

 

 

ルールのないCSR

CSRに対する取り組みは、企業規模/利益/業種業態により、各社各様です。

税金などは、業績等に対する料率が決まっていて、企業が納めるべき納税額が明確になっています。

CSRで難しいのは、CSR分野に対して、どのぐらいの費用やリソースを投じなくてはいけないのか、というのがルールがないことです。

そういうのがないので、日本の場合では、中小企業(とくに株式非上場企業)でのCSRへの取り組みが遅れていると言われています。

 

 

CSRの国際規格「ISO26000」

CSRの国際規格として「ISO26000」が、2010年に制定されました。

企業の社会的責任に関する国際規格で、事業活動を通じて利害関係者との間に生じる社会的責任を果たすための行動指針。法律遵守、人権への配慮、知的財産の管理、個人情報の保護、組織内の不正防止のための内部統制などが対象。

ただし、このCSRの国際規格として「ISO26000」は、通常の国際規格とは、ちょっと趣きが違います。

品質の国際規格「ISO9000」シリーズや、環境の国際規格である「SIO14000」シリーズでは、企業などがその規格に準拠しているということを、第三者から認定を受ける必要があります。

しかし、CSRの国際規格として「ISO26000」は、認証規格ではなく、ガイドラインで、準拠するかどうかというのは、利用者に任せられています。

 

 

CSR普及の問題点

CSRに関して、「やらないよりは、取り組んだ方がいいことはわかるけど、どれぐらい効果があるのか?」というのは、経営者として一番気になるところです。

会社のお金や資源を費やすのですから、その見返りというのがないと、取り組むインセンティブが弱くなるわけです。

そういう事情で、日本の中小企業でのCSRの取り組みが遅れている理由とも考えられます。

 

 

CSRによる企業価値の影響

仮に

「企業価値=もともとの企業価値+CSRの評価額」

という式が成立するとしたら、どんな分析ができるのかというのを検討するため、実際の企業を何社かをピックアップしてみました。 

 

  A社の場合
時価総額(X) 2.9兆円
株主資本(Y) 1.6兆円
CSRの評価額(Z=X-Y) 1.2兆円
CSRの活動[費用+投資](W) 0.02兆円
CSRレシオ(Z÷W) 60倍

 

  B社の場合
時価総額(X) 2,700億円
株主資本(Y) 2,500億円
CSRの評価額(Z=X-Y) 200億円
CSRの活動[費用+投資](W) 36億円
CSRレシオ(Z÷W) 5倍

 

  C社の場合
時価総額(X) 200億円
株主資本(Y) 500億円
CSRの評価額(Z=X-Y) ▲300億円
CSRの活動[費用+投資](W) ?
CSRレシオ(Z÷W) ?

 

なお、時価総額は、株主資本以外の要素の企業価値、たとえば将来収益の価値も含まれているので、

 

株式時価総額 = 株主資本 + CSRの評価

 

という式は、かなり無理がありますが、ここではあくまで簡便的にしています。

 

上記のA社とB社は、CSRの評価で、上位にランキングされることが多い会社です。

CSRに投じた、年間の費用・投資額も公開しているので、その金額と「CSRの評価額」との関係を調べていくと、「CSRレシオ」的なものが導き出せるかもしれません。

 

 

企業価値の高い会社:CSRにも積極的

「株式時価総額 = 株主資本 + CSRの評価」の式は無理がありますが、上の3社の例を見る限りにおいて、

 

企業価値が高い会社 

→CSRにもお金をかけている

→そのようなことがレピュテーションとして影響

 

という相関性はありそうです。

 

おそらく、CSRに投じたお金(費用+投資)と、企業評価の関連性を調べていくと、CSRレシオ的な係数がわかるかもしれません。何百社かのデータを集めて統計をとれば、何かしら見えてくるのかもしれません。

東洋経済が、企業の業績データとCSRのデータを持っているので、そこで何かやってくれると、面白いかもしれません(あるいは、すでにもう何かしら発表されているのかもしれませんが。)

 

 

ほとんどの企業は支援活動に費やした金額や参加した人数といった数字で、CSRに費やした費用だけを計算しています。こうしたインプットではなく、アウトプット(結果)を測定することを提案します。
by マイケル・ポーター

 



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