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「下請法」改正を機に、協力会社との取引状況を再チェックすべき

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未来志向型の取引慣行に向けて「下請法」等が改正されています。ところで、「未来志向型」とは一体?

 

「下請法」改正を機に、協力会社との取引状況を再チェックすべき

 

 

「下請取引の公正化・下請事業者の利益保護」を目的に、公正取引委員会が、「下請法」(正式名称:下請代金支払遅延等防止法)という取引ルールを定めています。簡単に言えば、発注者が下請け業者をイジメないようにするためのガイドラインです。

 アベノミクス効果なのかどうかはわかりませんが、大企業の収益力は回復しているのに対して、中小企業は、まだその恩恵を受けておらず、厳しい経営環境が続いています。

そのような中小企業の経営環境改善のため、2016年末に「下請法」らのルールが改正されました。

「下請中小企業の取引条件の改善に向けて」という内容で、中小企業庁と公正取引員会の連名で発表されました。

 

 

下請法の運用基準の強化:違反行為事例を66から141事例に増加

違反事例として、以下のようなケースが追加されました。

  • 受領拒否
  • 支払遅延
  • 減額
  • 返品
  • 買い叩き

品物を注文主が受け取らない、つまり納品とされなかったり、品物の料金の支払いを極度に長引かせたり、といった事項が、違反行為となります。

そもそも、こういう状態が一度でも起きれば、そのような相手からの注文は受け付けないということになるわけですが、同じような被害者がそれ以上増えないように、違反行為を行なった当事者を勧告できるようになります。

 

 

下請中小企業振興法の強化:「無理な値下げ要求」「金型代の保管代免除」はダメ

「下請中小企業振興法」についても改正され、発注元である親事業者が、受注先である中小企業の経営体質改善に協力すべき内容も改正されました。

具体的には、

  • 一方的な値下げ要求はダメ
  • 人件費等上昇時には、取引価格に反映できるようにする
  • 金型などの保管コストは、親事業者が負担するようにする

といった内容です。

 

 

下請け代金支払い方法:現金または手形サイトの短縮化

さらに「下請代金の支払手段について」という表題で、中小企業庁と公正取引員会の連盟で、親事業者向けに通達も出ました。

その内容は、

  • 支払いは、できるだけ「現金」で行う
  • 支払いが手形の場合、割引手形の割引料は、親事業者が負担する
  • 手形の支払い期日を、将来的に60日以内にする

 

2016年12月14日に改正

上記にあげた

  • 下請法の運用基準の強化
  • 下請中小企業振興法の強化
  • 下請け代金支払い方法

3つの内容を盛り込まれた法制度が、2016年12月14日改正されました。

 

 

「下請法」改正で経済が活性化するか?

少なくとも「下請け代金支払い方法」について、現金化が早まれば、いろいろな波及効果がありそうです。

自分が経営していた時もそうでしたが、手形でもらう時ほど、面倒なことはありません。

手形というのは、有価証券ではあるけど、換金しにくく、規模の小さな企業の場合、その取り扱いが、とにかく面倒です。

 

 

「下請法」の対象となる企業

上記の下請法は、発注者と受注者という関係だけで、全ての取引が該当するわけではありません。

以下のような場合は、この適用対象外です。

  • 発注者・受注者がともに、資本金3億円以上の場合
  • 発注者・受注者がともに、資本金3億円未満1千万円以上の場合
  • 発注者・受注者がともに、1千万円未満の場合
  • 建設業の場合(別の法律で規制)
  • 自社利用のための「委託」:自社向けソフトウェア開発委託など
  • 既製品・サービスの購入

 

 

「下請法」改正の周知徹底が要望されている

今回の「下請法」改正に関して、以下のような組織対応が要望されています。

  • 今回の改正内容を、購買・発注担当者以外にも、役員等の経営責任者まで周知徹底を図る
  • 社内の業務規定やマニュアル等の点検、見直しを行い、法令遵守に向けた社内体制を整備する
  • 担当役員等の責任者に、購買・発注担当者の指導および監督を行わせる

 

 

平成29年1月から下請Gメンが動き始める

現在、違反行為をしている企業がないかをチェックする「下請Gメン」という調査員が、下請中小企業を回っているそうです。

以前、自分が経営していた会社で、ときどき中小企業庁あるいは公正取引委員会から、質問票のようなものが送られてきました。質問票の中身を見ると、とある取引先に関する、取引条件について回答してくれ、ということでした。

回答するのに時間がかかりそうで、後に伸ばしていたら、気がつくと、失念していました。アンケート方式ですと、どうしても、そのような事態に陥りがちです。

調査員のような人が、ヒアリング調査で済ませてくれれば、世の中の違反行為を、今以上に拾えることができそうです。 

 

 

注意したいのは、自社が対象の親事業者に該当する場合

公正取引委員会では、「下請法勧告一覧」として、違反企業をリストアップ化して公表しています。

 今までの慣行で行ってきた商取引があれば、これを機に一度は、取引条件や取引条項などを、見直した方が良さそうです。

 

 

 



下請けをいじめるといった、商人として恥ずかしいことはしない。
by 貞末 良雄

 



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