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新任取締役の経営手帳

取締役のイロハ、ベンチャー、上場会社、会社法・仕組み・概念・手続き、時事話題

「監査役」と「監査等委員」の違い

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微妙に違う「監査役」と「監査等委員」の役割について、備忘録メモ。

 

「監査役」と「監査等委員」の違い

 

 

会社法の改正で、会社の機関設計の一つとして、新たに「監査等委員会設置会社」が加わりました。

 

従来の「監査役」から「監査等委員である取締役」に変わり、そっくりそのまま役割等も移行したものと思ったら、じつは微妙に異なるのです。

 

 

 

「監査役」と「監査等委員」の比較 

単純に比較できるものをまとめると、以下のようになります。

 

 監査等委員監査役
立場 取締役 監査役
任期 2年 4年
常勤者 必須ではない 必須
機能 監査等委員会による組織監査 監査役各自の独任制
調査権 選定」監査等委員のみ調査権を持つ
監査等委員会にて選定監査等委員を選定する
監査役全員が調査権を持つ
取締役の人選・報酬 監査等委員会が「意見の決定」を行う なし
取締役会の招集 選定」監査等委員は招集可能 手続きを行えば可能
取締役会の決議 参加 なし
法定開示情報等に関する職責 監査等委員会は、有価証券報告書などの法定開示情報に重要な誤りがないことを確保するための体制について、構築・運用の状況を監視し、検証する。 なし
内部監査体制の整備 善管注意義務違反が問われる。 努力義務
会計監査人 必須 大会社の場合は必須。それ以外は必須ではない

 

 

「監査役」でもあり「取締役」でもある

「監査等委員」の特徴の一つは、 「取締役」であるということです。

そのため、取締役会でも、従来の監査役ではオブザーバー・監視役的な形で参加していて、どちらかといえばサブ的な扱いでしたが、この監査等委員の場合は、取締役に参加し、議案等への決議にも参加します。

なお、「監査等委員である取締役」と「監査等委員でない取締役」にわけて、株主総会では選任や報酬の決定等を行います。

 

 

「特定」監査等委員と「選定」監査等委員

また、「監査等委員」には、付加機能的なものを定めることができます。

 

  • 特定監査等委員
    会社などからの通知を受ける担当となります。

  • 選定監査等委員
    従来の「監査役」のように、 業務執行の取締役や、会社の状況に関する調査権を持ちます。

 

 

指名委員会的な機能も持つ

「監査等委員」は、「 監査等委員でない取締役」の人選や、その報酬に対して、意見を持たなくてはいけません。

今までの監査役では、このようなことはありませんでした。業務や会計の監査はするが、取締役の人選等の監査までは行っていません。

それ以前に、アメリカ的な委員会等設置会社のような仕組みを入れて、指名委員会・監査委員会・報酬委員会などを設置していた会社がありました。規模の大きい会社で、この形態をとっていることがあります。

そこでの「指名委員会」「報酬委員会」の要素を、この「監査等委員会」にも取り入れたような形になっています。

 

 

監査責任がより一層重たくなった「監査等委員」

従来の監査役による監査と比べて、この「監査等委員」では、内部監査部門・会計監査人との連携をした監査が求められており、それを怠ると、善管注意義務違反として、責任が問われるようになっています。

内部監査部門は、もともとは社長が、自社内のチェックのために設置していたものでした。それが、社長だけでなく、監査等委員も活用するようになります。

これは、上場している会社ですと、従来のコーポレートガバナンス図に、矢印が一つ増えることになります。

 

 



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